第182話 再び隠し部屋へ
長らくお待たせいたしました。
更新が遅くなってしまいましたこと、本当に本当にすみませんでした!
「何もねえな。ホルン、そっちはどうだ?」
「うーん、こっちもただの壁みたい。」
隠し部屋に戻り、壁や台座など、室内をくまなく調べるキースとホルン。
「やっぱりそうか。こういう所なら壁にスイッチがあったり、この台座なんかに仕掛けがあったりしてもおかしくねぇんだが…」
「台座ってこれだよね?」
そう言って円柱状の台座の上部分、例の円盤が乗っていた所に触れるホルン。
「ああ。こういう“いかにも”なモノは、回ったりどこかが開いたりすることがあるんだが、こいつはビクとも――」
ズズッ
「わぁっ!」
「!?」
ホルンが台座に手を添えていると、突然台座の上半分がズレたのだ。
「動い…ちゃった。」
「……だな。」
目をパチクリさせながら、まじまじと台座を見つめる二人。
数秒の沈黙の後、先に口を開いたのはキースだった。
「今、何かしたか?」
その問いかけに、ぶんぶんと首を振るホルン。
「キースがやってたみたいに、台座に手をついて見てただけだよ。」
「本当にそれだけか?ああいや、疑うわけじゃないんだが…何かこう、スイッチみたいなものを押した感覚があったとか、魔力を流してみたとか?」
「ううん。本当に何も……あ、ちょっとだけ体重を預けてた、かな。」
そう言って、しゅんと熊耳を下げるホルン。
わけもわからず仕掛けを動かしてしまったのは、これでもう二度目なのだ。役に立つどころか謎を増やすばかりで、てんでダメだと項垂れている。
「そうか。」
(俺がやったときはビクともしなかったんだが…やっぱ子供でも獣人の力は強いってことか?)
ホルンの頭をぽんぽんと撫でながら、考えを巡らせるキース。
「何にせよホルン、またまたお手柄だな。ところでこの仕掛け、これ以上動きそうか?」
キースの言葉にパッと顔と熊耳を上げたホルンは、上半分がズレた状態の台座のあちこちを押したり引いたりしてみる。
「元に戻るか、半分ズレるか、だけだね。それ以外は動かないみたい。」
「なるほどな。んじゃ、中を確認してみよう。」
中空になっていた台座の中にあったのは――古い巻物のようなものだった。
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