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第17話 光魔法じゃないのか?

「今更だが、一応確認させてくれ。アルトはマギアなんだよな?」


「はい、そうです。」


魔法を使ったと打ち明けるときは一瞬迷ったものの、今度は躊躇いなく答えるアルト。


「まぁそうだよな。んで、俺の傷を治したのもポーションじゃなくて魔法だった、と。」


「はい。」


「その魔法は、光魔法じゃないのか?」


光魔法と言われてもなかなかピンとこないアルト。火や水はまだわかるが、光を使うと意識して魔法を使ったことはないのだ。


「それは…よくわかりません。魔法を使う時は、属性を意識する場合と、そうでもない場合があるんです。」


アルトの言葉に、首を傾げるキース。


「ええっと…例えば、火とか水とかは、属性を意識している…と思います。だけど、身体強化とかそういった魔法は、属性とか特に意識してないんです。僕の魔法は、ほぼ自己流というか、自分で考え付いたり、エメラに教わったりしたものなので。」


「なるほどな。魔法のことはよくわからんが、アルトの魔法が自己流で他とは違うってのは何となく伝わった。しっかし、バリアとか音を通さないとか、そんな魔法初めて見たぞ。ホント凄いな、さすがは精霊の魔法だ。」


「あ、一応訂正しておくけど、【安全地帯】(セーフゾーン)は私じゃなくてアルトの魔法よ。一緒に考えたけど、使えるのはアルトだけ。私は風の精霊だから、風の魔法しか使えないわ。」


「え、そうなのか!?」


驚いて更に説明してくれたキース曰く――

一般的にマギアの使う魔法は中~遠距離の飛び道具的な攻撃魔法が主である。


魔力が強いマギアならば炎や氷で壁を作ることもできるかもしれないが、そんな大魔法を使っているとすぐに魔力が尽きてしまうだろう。


一握りの光魔法を使えるマギアは、治療魔法を優先的に練習したり使ったりする。そのため、攻撃と治療の両方ができるマギアは本当に珍しい。


おまけに、アルトが使った【安全地帯】(セーフゾーン)…もとい【障壁】(バリア)【無音】(サイレンス)のような、属性の存在しない魔法を使える者など聞いたことがない。


それこそ、国お抱えの宮廷魔導士にも、街や村に所属する魔法使いにも、もちろんギルドに登録している冒険者にも、そんなことができるマギアはいないだろう。


――ということだった。



この話を聞いたアルトは一気に不安になった。


「えっと…僕の魔法は悪いもの、ですか?国の偉い人とかに、怒られたりしますか?」


「あ、いやいや!そういう意味じゃなくてだな。ただ、凄すぎるというか規格外というか、な。」


不安そうな様子のアルトに慌てたキースは、慌ててフォローする。


「てっきり、バリアとかはそこのエメラって精霊の魔法だとばかり思ってたから、余計に驚いちまったんだ。不安にさせて悪かったな。俺は純粋に、アルトのことを凄いと思う…尊敬するよ。」


キースの言葉にアルトの心は軽くなった。


「ありがとうございます。でも、僕の力だけではないですよ。エメラと一緒に考えた魔法もありますし、エメラと一緒じゃないと使えない魔法もあります。」


「エメラと一緒に、てことは…エメラはアルトの契約精霊なのか?」


「?」


「そうよ。」


キースの質問に首を傾げるアルトに代わり、エメラが答えた。


「ひょっとしてとは思ったが…ますます凄いな、アルトは。」


感服したとばかりの表情で、キースが肩をすくめる。

読んで下さってありがとうございます。


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