表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/188

第15話 ポーション?

ブックマーク、評価ありがとうございます!とても励みになります。

「ああ、紹介がまだでしたね。彼女は一緒に旅をする仲間で、風の精霊のエメラです。」


「エメラよ…じゃなくて!アルトは凄いのよ!?あなたよりもずっと強いのよ!?アルトを侮辱したら許さないから!」


「エ、エメラ…気持ちは嬉しいけど、落ち着いて。僕は子供なんだから、心配されてもしょうがないよ。キースさん、すみません。」


アルトとエメラの様子を見て、キースは呆気にとられていた。精霊であるエメラを捕まえたり害したりする様子はなさそうだ。


「はぁ~やっぱりか。俺は精霊って初めて見たけど、純粋な子供には懐きやすいってのは本当なんだな。」


そう言ってアルトとエメラの様子をまじまじと見ていたキースだったが、ふと自分の身体を見て思い直した。


「いや、恩人を子供扱いは良くないな。アルトのおかげで命拾いしたよ。…それで、いくら払えばいい?」


キースの言葉にアルトは驚いた。


「そんな!お金なんて貰えませんよ。」


「いやでも、俺の傷が治っているってことは、アルトの持っているポーションを使ってくれたんだろ?だったらその分くらいは払わせてくれ。安いモンじゃないんだから、こういうことはちゃんとしないとな。」


「ポーション?」


「え?」


「「んんん?」」


ポーションとは、軽い病気や怪我を治すことのできる薬である。

魔獣討伐に限らず、危険な依頼を受けることの多い冒険者にとっては必需品。ちなみにキースは持っていたポーションをすでに使い果たしていたようだ。


「え?ちょっと待て。じゃあアルト、お前どうやって俺の傷を治したんだ?」


キースの問いに、アルトは逡巡する。自分がマギアであることを彼に打ち明けてもいいものか、と。

考えてみれば、彼は一角黒豹(ホーンパンサー)という魔獣の生態について教えてくれたし、アルトのことを心配してくれた。それに何より、今しがた「お金を払う」と言った。口調は荒っぽいが、根は良い人なのだろう。


そう判断したアルトは、意を決して口を開いた。


「魔法です。僕は【治癒】(ヒール)って呼んでいるんですけど…」


「ちょちょ、ちょっと待ってくれ!アルト、お前まさか“魔力持ち”(マギア)なのか?え?ていうか魔法で治療ってことは光魔法?おいおい、だとすると相当な使い手じゃないか!?」


アルトの発言にキースはかなり驚いた。

アルトが希少なマギアであることもそうだが、それ以上に()()()()()()()()というところに驚いたのだ。


「キースさん、とりあえず落ち着いてください。」


「あ、ああ。悪いな。」


アルトの言葉に諫められるキース。これではどちらが大人だかわからない。


「アルトの言う通りよ!魔法のおかげでバリアの外に声は漏れないけれど、ここはまだ森の中なんだからね?」


「声が外に漏れない?バリア?おいおい、何を言ってんだ。精霊とはいえ、魔法でそんなことできるわけがないだろ。」


キースの言葉に、顔を見合わせるアルトとエメラ。


「できるわけがないと言われても…」


「実際できてるんだもの。嘘だと思うなら、試しに腕を伸ばしてご覧なさい。」


「あ?こうか?」


キースは訝しがりながらも、エメラの言う通りに自分の隣の空間に手を伸ばす。

すると、指先に硬い感触が当たった。手の平で触れてみると、それは透明な壁のようなものだった。


「なんだこりゃ…壁?」


「そうよ。私とアルトで考えた自信作の魔法、その名も【安全地帯】(セーフゾーン)!バリアで内部を守る、外部に音を漏れなくする、中の様子を見えなくする、三つの効果の複合魔法なの。」


「!?!?」


キースは更に驚いたようだが、声はバリアの外には漏れない。


「それで、キースさん。何にそんなに驚いたんですか?」


「全部だよ!!!」


キースの叫びは、バリアの中だけにビリビリと響いた。

読んで下さってありがとうございます。


誤字脱字、読みづらい等ありましたらご指摘くださいm(__)m

ブックマークやいいね、評価等で応援していただけると執筆の励みになります。

よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ