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第136話 テイマーになりたいの?

「ところで、君たちはこの町に何か用事があるみたいだとガヤルドから聞いたけれど…?」


「はい。トレモロのギルマスさんから、紹介状をもらったんです。」


アルトが取り出した封筒を受け取り、宛名を見て一瞬目を丸くするギルマス。


「おや、この人は…パストーラさんだね。彼なら僕もよく知っているよ。彼はテイマーだけれど…君はテイマーになりたいの?」


ギルマスは封筒をアルトに返しながら、不思議そうに首を傾げる。


「ええと、実は魔獣の子供をテイムしているんです。今はカバンの中で寝ちゃってるので、見せられないですけど。」


そう言って、アルトは自身の手の甲にテイムの印を浮かび上がらせて見せた。

アルトがテイマーであることも、従魔のテナのことも、冒険者ギルドには登録してある。調べればわかることなので、無理には隠さないことにしようと話し合って決めたのだ。


印を見たギルマスは「へぇ…」と驚いたような声を上げる。


「でも僕は知らないことが多すぎるので、キースやレシェンタさんが勧めてくれたんです。テイマーの心構えとか、ちゃんと知っておいた方がいいって。」


「それでパストーラさんに…なるほど。いい仲間に恵まれたね、アルト。」


「はい!」


そんな二人のやり取りを聞いていたレシェンタとキースは、目を丸くして互いに顔を見合わせるのだった。



「パストーラさんの家は町はずれにあるんだ。よければ、僕が案内しよう。」


「いやいや、ギルマス自ら案内だなんて…何かとお忙しいでしょう。」


思いがけないギルマスの提案に、遠慮の形を取って断りを入れるキース。


「気にしなくて大丈夫だよ。実を言うと、君たちが彼とどんな話をするのか興味があるからね。それとも、同席しちゃまずい理由でもあるのかな?」


引き下がるどころか、グイグイと押してくるギルマス。にこやかに微笑んではいるが、なぜか有無を言わせない圧がある。


「いや、そういうわけではないんですが…」


「じゃあ問題ないだろう?」


ギルマスの押しに困り果てたキースは、アルトとレシェンタの方に目をやる。

が、レシェンタはフイっと視線を逸らして素知らぬ顔だ。


(おいっ!)


「僕は大丈夫だよ、キース。ギルマスさん、えっと…結構驚かせてしまうかもしれないですけど、大丈夫ですか?」


「もちろん。そういう言い方をされると、むしろわくわくするよ。」


途端に、パッと圧を引っ込めるギルマス。その様子にこれ以上言っても無駄と諦めたのか、観念したように溜息をつくキース。


「わかりました。当事者のアルトがそう言うなら、俺もこれ以上反対はしません。ただし、その場で見聞きしたことは他言無用でお願いしますよ。」


「承知した。それじゃあ…行くのは明日にしようか。君たちも旅の疲れがあるだろうから、今日は少し休んでいるといい。」



部屋を後にしたアルト達は、ギルドの談話スペースで待っていたガヤルドやゲイリー達と合流し、ゴブリンの討伐報酬を分け合った。

予想よりも高額な報酬にアルトは目を丸くした。

しかしゲイリーから「本来は全部アルトが受け取るべき報酬なんだぞ」と言われ、更に複雑そうな顔をするアルトだった。



アルト達が冒険者ギルドを去ってすぐに、今度はガヤルド達四人がギルマスに呼ばれた。


そのきっかり2時間後、ギルマスの執務室から出てきた四人がやけに青い顔をしていたとかいなかったとか……。

読んで下さってありがとうございます。


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