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第127話 まだまだ新人

「あの人たち、パーティーを組んで1年って言ってたね。冒険者っていつまで新人なの?」


アルトの問いに、腕組みをして答えるキース。


「決まりはないが“ランクが上がれば脱新人”みたいな風潮はあるな。で、その目安が大体1年くらいだ。連中も言ってたろ?もうじきDランクに昇格するはずだって……本当のところはわからんが。」


一般的に、冒険者ランクが上がるのに要する期間はおよそ1年。

ランクが上になればなるほど上がりにくくなるが、FランクからDランクくらいまでは大体それくらいのスパンでランクが上がることが多い。


もちろん、これは絶対的な基準ではない。

こなした依頼の難易度や数、そして素材の納品などによるギルドへの貢献度。

依頼以外でも討伐した魔獣の数やレベル…稀にではあるが、依頼主や民衆の支持などによっても左右される。


「なるほど。じゃあ僕はまだまだ新人だね!」


「あ、ああ。Aランクに上がるのは()()()簡単じゃねえから、アルトはとりあえず1年を目安にしとくといいかもな。」


朗らかに答えるアルトに、少しだけどもるキース。


剣大蛇スパーダスネークを討伐した際に、アルトのAランクへの昇格の話はあった。

結局その話は流れたが、アルトが史上最速・最年少でのAランク昇格を果たしそうになったことは、今は蒸し返さないことにしたキースだった。


「俺からすれば、さっきの連中も冒険者の後輩みたいなもんだ。あいつらにアルトの半分くらいでも素直さがありゃ、次の町までくらいは世話してやったんだけどな。」


ポツリと漏らすキースの言葉に、ニッコリと笑顔を見せるアルト。


「やっぱりキースは優しいね。初めて会った時も僕に色々と教えてくれたし。」


「おいよせ。優しいとかそういうのじゃねえって。」


「え、何なにその話?詳しく聞かせてよ~!」


プイと顔をそむけたキースを、レシェンタがここぞとばかりに茶化す。

先ほどの冒険者たちに“恩人”として持ち上げられたときに、キースがわざと助けなかったことを実は根に持っていたのだ。


「ねえねえ、お優しいキース先ぱぁいっ!」


「だぁっ!やめろっての!」


そんな彼らの様子を微笑ましげに見守りながら、ふわふわと飛んでいたエメラ。しかし、ふと後方に何者かの影を見つけて目を細める。


目を凝らして見ると、こちらへ走って来ている四人の人影が見えた。

慌ててコハクと一緒にアルトのカバンに隠れながら、アルト達に声をかける。


「噂をすれば…ってほど今はその話じゃなかったわね。でもさっきの彼ら、追いかけてきたみたいよ。」


そう言ってエメラがちょんちょんと指す方向――後ろを振り返ると、息を切らせてこちらへ走ってくる四人の姿が、アルト達の目にも見えた。


「文句を言い足りなかった…ってわけじゃなさそうね。」


頬をポリポリと掻くキースを、悪戯っぽく笑いながら小突くレシェンタ。


「まだ、反省はできる馬鹿だった。」


コハクの漏らした言葉に、クスリと笑いを漏らすアルト達だった。

読んで下さってありがとうございます。


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