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第105話 村の異常

「うわぁ…」


「これは…酷いわね。」


レカンタの町を出て数日後、アルト達は小さな村に来ていた。その村の様子が明らかにおかしかったのだ。

畑の作物はそのほとんどが枯れ、土はひび割れ、水路や川も干上がってしまっていた。



「ねえキース、これって…」


「ああ、明らかに異常だ。普通はこんなになる前に、村長なりが何か手を打つはずだ。そもそも、この付近で日照りが続いているなんて、聞いた覚えはないぞ。」


「…土が乾ききっている。それに、養分もほとんど空。まるで何かに吸い上げられたよう。」


土の様子を調べていたコハクの言葉に、ハッとした表情を見せるキース。


「もしかして…」


「何か心当たりがあるの?」


「まぁな。個人的には、予想が外れてくれるといいんだが…」


エメラの問いに、遠慮がちに答えるキース。


「ねえキース、僕たちに何かできないかな?雨を降らせるとかだったら、僕できるよ。」


アルトの“雨を降らせる”発言に一瞬は驚いた表情を見せたレシェンタだったが、まぁアルトだしね、と少し肩をすくめて息を吐いた。


「そうだな。とりあえず、村長に話を聞いてみよう。もうギルドに何かしら依頼を出した後だったら、部外者が勝手に手を出すのはよくないからな。」


キースの言葉に従い、村の人に聞いて村長の家を訪ねることにしたアルト達。



「ほう、旅の冒険者殿ですか。」


「ええ。通りすがりとはいえ、この村の様子が気になったので…わかることだけでも、話してもらえますか。」


「ええ。それが――」


村長は気の良いおじいちゃん然とした人で、色々と話してくれた。


数日前から川や水路の水が徐々に減っている様子はあったこと。

いずれ雨が降るだろうと思いつつ、水を節約するようにはしていたこと。

ところが、この2日ほどで急に全ての水が干上がり、作物もほとんどが枯れてしまったこと。

今日の午後、村人を集めて川の上流や周辺の様子を見に行く予定であること。


「なるほど。もしよければ、俺たちもその調査に同行しても?」


「え、ええ、それは構いませんが…冒険者殿がわざわざ出向くほどのことでは…」


予想外の申し出に戸惑う村長。そこへキースが真剣な面持ちで話しを続ける。


「これはあくまでも俺の予想ですが…この件、魔獣が原因である可能性があります。」


「ええっ!?」


驚いて椅子から転げ落ちそうになる村長。


「たった2日で川や水路が干上がり、作物まで枯れてしまうというのは明らかに異常事態です。恐らく……樹の魔獣(トレント)がこの村近辺のどこかに棲みついた可能性があります。」

読んで下さってありがとうございます。


誤字脱字、読みづらい等ありましたらご指摘くださいm(__)m

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