〜22話€劣等感〜
煙の原因は街の近くの森林にて・・・
戦いが始まっていたのだ
あっきー「おいアラン!どうしちまったんだよ!?」
ひー「あっきー!そいつまだ元に戻らないのー!!」
コト「とりあえず私たちは消火作業しよ!!能力発揮!水拳!あと土拳も!早く消えてー!!」
ひー「この火も煙もだいぶ厄介だぞ!能力発揮!グレア!」
コトは色んな属性の魔法拳で目の前の火を隅々まで消化していった
ひーは自分の目の前と、火や煙を挟んだ反対側の位置の2箇所に光源を作り出し、その間にあるものを広範囲に消し去った
ひー「これがまさにグレア現象!」
ミサキ「カッコつけてないで次行くよ!能力発揮!範囲解析!次はあっちの火が燃え移る前に消しに行くよ!」
ひー「はい!了解です!ミサキ隊長!」
ミサキ「ふざけない!」
アランが急に暴走を初め、散策していた森に火をつけ始めたのだ
それを止めようとあっきー、ひー、コト、ミサキが動いていた
アラン「オレハ…ツヨクナリタイ」
あっきー「お前は充分強いだろ!いい加減目を覚ませよ!!」
アラン「オマエミタイニ…ツヨクナリタイ」
あっきーはアランと一緒に入軍試験を受けた日のことを思い出す・・・
審査官『はい、じゃあ2人1組を作って私たち審査官を倒してください』
あっきー『えっとー誰が良いかな…』
アラン『なぁお前!俺と組まないか?』
あっきー『お前は確かさっき能力レースで大きな火を出して周りに迷惑かけてたやつ…』
アラン『おいおい、それを言わないでくれよぉ。な!良いだろ!?お前の闇の能力強そうだったからさ!!』
そんなことをあっきーが思い出していると、アランがコアを光らせ能力を再び使い出した
アラン「オマエハ…サイショカラ…ツヨカッタ…ウラヤマシカッタ…デモ…ココナラオレハ…オマエヨリ…ツヨイ!!」
あっきー(アランお前…やるしかないのか…)
その様子を丘の上から見ていた2人がいた
???「クックックッ人間誰しも心の中には劣等感があるもんだからな!そこをちょっと操れば簡単に暴走させられちまうぜっ」
???「相変わらずお前の能力は悪趣味だなジリオン」
ジリオン「まさか事前に調査しに来たらスプーンの奴らがいやがったからな!少し遊んで帰っても問題ないだろ?軍師アンブローズさんよ?」
アンブローズ「今回は隠密ではないからな、問題は無い。ただしジャヴァさんの帰りのワープが生成でき次第、帰国するからな」
ジリオン「じゃあ当分はコイツらで遊べるってことだな!ん?誰かがこっちに来たな」
アンブローズ「私はジャヴァさんの進捗を見てくるからな、あんまり派手なことはするなよジリオン」
そう言って、アンブローズは森とは反対側に丘を降りていった
エンドウ「どうしたんだコレは!?」
スケ「とりあえずこの火をどうにかしないと…」
キョウマ「確実に街にも被害が出ますね」
シロウ「よっしゃー!やってやんぞ!!」
エンドウ「あーそっか」
スケ「君がいたね」
キョウマ「よし、じゃあここは頼んだ」
シロウ「え、ちょっ本当に3人ともそっちに行っちまうのか!?俺1人!?」
エンドウ「大丈夫だシロウくん、君の能力は僕が1番知っている!自信を持って存分に能力を使いたまえ!」
そう言って3人はシロウを残し、他の場所の消火活動に行った
シロウ「なんだよ…そんなこと言われちまったら…頑張るしかねぇよなぁ!!」
ジリオン「なんだか暑苦しいやつが来たなぁ、せっかくだしアイツも暴走させとくか」
シロウ「能力発揮!氷壁裂破!!」
シロウの能力で辺り一面の火や煙は氷漬けになった
シロウ(マモル…兄ちゃんなんとか役に立ってるぞ、今度は俺がお前の代わりになって、少しでもお前の力になってやるからな…)
ジリオンの能力を受けたはずなのにシロウには何も起きなかった
その事に苛立ったジリオンはシロウの前に姿を現した
ジリオン「おい!お前には劣等感というものがないのか?」
シロウ「はぁ?誰だお前?てか俺ほど劣等感って言葉に相応しい奴いないと思うぞ?」
シロウはマモルとの過去を思い出す・・・
カメイ父『マモル凄いな!また100点か!』
カメイ母『本当に何でも出来るのね!シロウ、あなたもマモルを見習わなくちゃよ!』
シロウ『・・・ごちそうさま』
夜ご飯の時にこんな会話をされるのはしょっちゅうの事で、シロウはそんな話が始まると食事を辞め、黙って部屋に戻ろうとする
そんなシロウをマモルが追いかけ、声をかける
マモル『兄ちゃん!僕は知ってるよ!本当は兄ちゃんだって!』
シロウ『うるさい!お前はそのままでいるんだ…俺は俺の道を、お前はお前の道を進めば良いんだ』
マモル『兄ちゃん…』
そんなある日のことだった
シロウは川で溺れていた小さな子を助けるため川に飛び込み、その子を家に送って帰った時だった
シロウ『ただいま』
カメイ母『シロウ!こんな時間までどこに…なんて格好で帰ってきたの!また友達と遊んでたんでしょ!!』
マモル『待ってよ!お母さん!!』
カメイ母『マモル!?』
マモル『事情も聞かないでいきなり怒るなんておかしいよ!何かあったんでしょお兄ちゃん?』
シロウ『川で溺れてる男の子がいたんだ…』
カメイ母『その子は!?』
シロウ『俺が助けて家まで送った…』
それを聞いた母親にシロウは抱きしめられた
カメイ母『ごめんねシロウ、お母さんが悪かったわ!お父さんに似て正義感が人一倍強いあなたらしいわ!!本当にごめんなさい』
マモル『良かったね!兄ちゃん!』
それ以来シロウはマモルと距離をとるようになった…親に理解して貰えた嬉しさもあったがその反面、兄としてのプライドがそれを許せなかった…恥ずかしかった…
そして、シロウから見た完璧の弟マモルがエンドウに連れられて戦意喪失の状態で目の前に現れた時に、今こそと心の中で思った自分がいたことを思い出す
ジリオン「そうだろ!お前は劣等感まみれだった!だから操れると思った!なのに何故だ!!」
シロウ「なぜってそりゃ…劣等感なんかよりもっと強い思いが俺の中にあるからだよ」
ジリオン「なんだそれは!」
シロウ「お前どうせデノールのやつだろ?今まで散々人を殺したり拐ったりしてるヤツらには分からないことだろうが、俺は弟への、家族への、人への感謝を忘れない!俺はそれに報わなきゃいけないんだ!」
ジリオン「ハッ何言ってんだお前?もう1回能力を使えばこっちの…」
シロウ「能力発揮!大謝氷輪斬!!」
アンブローズ「おい、ジリオン!ジャヴァさんがワープできたって…あれジリオン?」
アンブローズが丘の上から森の方を見下ろすと倒れているジリオンがいた
近寄ってみると小さな氷の棘がジリオンの顔、上半身、下半身の中央縦1列に無数に刺さって死んでいた
そして少し向こうに歩いていくシロウの姿が見えた
シロウ「あーあ、よく分かんねぇやつがいたなぁ~あれ?これってみんなに報告すべきか??まぁいっか~」
アンブローズ「あの男…ジリオンの能力に屈しなかったのか?なんて精神力してんだ…」
その頃、あっきーとアランの方でもジリオンが倒されたことにより・・・
あっきー「アラン!恨むなよ!闇一文字!」
アラン「ハッ…俺は何を!?」
あっきー「やー!!」
アラン「アキヒロ!?おいおいおいちょっと待てー!!!」
あっきー「あれ?目を覚ましたのか?」
アラン「あー死ぬかと思った…」
こうして何とか難を逃れたアラン
そしてアランを、フェイブルの街への被害を救ったのがシロウだと言うことは誰も…いや本人すらも知らないまま、この事件は終わったのだった・・・




