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野寒布沖夜戦【前編】


本日は6月23日、今日は沖縄で沖縄守備軍司令官・牛島満中将と参謀長・長勇中将が

自決した日である。

 

 

中北ソ上陸から一ヶ月以上がたつが沖縄では今だ激戦が繰り広げられていた。

数で圧倒してくる中国とソ連、それを後方支援する北朝鮮。

だか日米両軍は冷静さを取り戻しつつありまた援軍も到着し戦力を上げつつあった。

 

福岡でも九州のほとんどの戦力を福岡に集結させ大規模な反抗が行われようとしていた。

さらに準備が整い日本海軍及び米第七艦隊が日本海へ向かっていた。

反抗の準備は整いつつあった。

しかし勢いを増したソ連は再び北海道占領を狙う、道北を占領すべく再び軍を

上陸させようとしたのであった。

 

 

そこで軍はそれを阻止すべく、また上陸したとしても敵の戦力を弱まらせるという

目的の為網走の隅っこにこっそりと存在する造船所で3年間かけてこっそり造船された

駆逐艦5隻、イージス艦3隻を北上させた。

さらに千歳から借り出されたパイロットと対艦攻撃に優れた

F-2支援戦闘機により「宗谷303攻撃隊」が編成させた。

 

またこの攻撃隊のパイロットの中には麻衣の姿もあった。

麻衣は空中戦はしたことがあるものの対地攻撃および対艦攻撃を行った事はなかった為

戸惑いを隠せなかった。

 

「…」

 

宗谷303航空隊隊長中林信介少佐

「緊張しているのか?」

 

「はい、対艦攻撃ははじめてなもので」

 

「そう、緊張する必要はない、第一まだ敵はこちらまで来ていない

 それに君は初飛行で敵を3機撃墜したではないか?」

 

「でも…船って飛行機の力で沈むんですか?」

 

「大丈夫さ、我々の先人達はこのF-2より性能の悪い陸上攻撃機で

 戦闘行動中の戦艦と巡洋艦を沈めたんだ」

「もちろん敵艦はその時の船よりも強いがその分こちらも強い」

 

中林少佐も穏やかな人間であった

彼は沖縄の航空隊出身で所属していた航空隊では最もうまい

パイロットであり実際に空中戦を行った事もある。

出生地が稚内市ということもありまた故郷が攻撃される光景をみたくないという気持ちから

宗谷303攻撃隊の隊長に志願し沖縄から転属となった。

 

しかしソ連軍はなかなか攻めてこなく1日が経過したが24日になっても攻めてこなかった。 


24日夜-

 

「…」

 

麻衣はあることに気がついた…

 

「ここの基地…女子寮はないの?」

 

麻衣は不安だった、こんな男たちの中に一人女の子が寝る事に。

「うう…なんかされたらどうしよう…」

 

小声でそうつぶやくとうしろからつつかれた感じがした。

「きゃっ!」

 

「シーッ!」

 

「麻衣ちゃん、久しぶり」

 

「えっ?…沙耶お姉ちゃん!?」

 

そこには彼女の近所に住んでいた三つ上の姉、上條沙耶がいた。

「そうか、麻衣ちゃんも戦うんだね」

「そんなことより私は沙耶お姉ちゃんがなんでここにいるかが知りたいよ、

 学校の先生になるんじゃなかったの?」


沙耶は幼い頃から学校の先生になるって張り切っていた。

 

「いやぁその道は流石に厳しかった、あたしゃ馬鹿だからね、

 結局は学よりも金がほしかったから中卒でもできそうな仕事探してたら

 偶然空軍の前身である航空自衛隊をみつけたんだ!」

 

「すごいね…普通無理でしょ中卒じゃ」

 

もっとも麻衣も高校に入ったとはいえ卒業はしていないので中卒ということになる。

 

「麻衣も中卒じゃないの? 人生あきらめて軍人になったんじゃないの?」

 

「いや私はただ守りたいって思いだけで金のためじゃないし!」

 

「まだどうだっていいさ! がんばろうね麻衣ちゃん!」

 

「あっ はい、先輩!」

 

「あらあら、すっかり軍人さんになっちゃって、

 さっきまで沙耶お姉ちゃんって呼んでたのにね、

 とりあえず今ここにお酒あるけど飲む?」

 

「えっ? ちょっ!!待って!! 貴女未成年でしょ!!

 私も未成年だから飲まない!!」

 

「んもぉ真面目なんだから」

 

 

久々の沙耶との会話は楽しかった。

ちょっと悪い事してそうだけど元気そうでよかったと麻衣は思った。

しかしその楽しい会話を小声でしている頃であった。

 

「敵が押し寄せてきた、出動準備!」

 

ソ連軍上陸部隊が押し寄せてきたらしい。

全員出動準備を行い飛行機に乗り込んだ。

何故か基地内には荒鷲の歌が流れる。

 

25日午前0:21分宗谷303攻撃隊全機離陸。


一方海軍、こっそり造船された駆逐艦5隻、イージス艦3隻による「オホーツク艦隊」は

敵艦隊を発見した。

 

「閣下! 敵は揚陸艦3隻、駆逐艦2隻 巡洋艦2隻です!」

 

オホーツク艦隊司令官牛島清助

「うむ、船団の全兵力を駆使し敵を撃滅する」


「宗谷守備艦隊の3隻もこちらにむかっており、

 宗谷303攻撃隊の航空機もこちらに向かっている、

 やるなら今しかない、我が軍の底力を赤い敵に見せ付けてやろう」

 


陸軍は戦力が分散しすぎて稚内まで集結するのに時間がかかる、

ということはここで敵を倒さなかったら稚内守備隊は壊滅しまた

戦力が分散しきった陸軍はソ連軍の圧倒的物量の前に敗れてしまう。

 

今北海道の運命をかけた戦いが始まろうとしていた。 





ご意見・ご感想ありましたらお気軽にどうぞ

 

あと戦争ものでグロテスクな表現あるかなと

思ったらあまりないですね。

 

ちなみに作中に登場した荒鷲の歌とは日本の軍歌

です、軍歌というよりは戦時歌謡かと思いますが…

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