北区石狩川攻防戦【前編】
4月18日には石狩を突破され4月20日南稚内が陥落した。
占領された地域の人たちは虐殺されていった。
肉を剥がされ爪を剥がれ眼球をとられたり引きちぎられたり戦車に踏み潰されたりと
ひどい有様だった。
4月23日ソ連軍は札幌市北区に侵攻する。
だがそれを食い止める為一人の将軍がたちあがった。
それが高野隆中将である。
「師団の全兵力を駆使し敵を撃滅する!」
90式戦車 74式戦車などの主力戦車を主力とする第11戦車大隊、
歩兵を主力とした第18普歩兵連隊、それらを支援する第11後方支援連隊などを主力とし
さらに別の部隊からの援軍により歩兵約12000人 戦車60台などが真駒内駐屯地と
その他空襲により空き地となった土地に集結した。
第11師団は札幌防衛の為北区の石狩川へと軍を進めた。
そして石狩川で両軍は衝突した。
第11師団(援軍含む) vs ソ連軍
歩兵12000 歩兵20000
戦車60 戦車100
装甲車48 装甲車60
ヘリ20機 航空機80
など
+
空軍22機
兵力からして日本軍は不利であった。
「中将、状況報告です」
「現在我が軍は使用兵器の性能で敵軍を圧倒しておりますが
それもあと僅かの期間となる可能性がたかいです」
「ソ連軍はさらなる援軍があるものと思えます、消耗戦となれば
我が軍に勝ち目はありません」
「う〜ん、現在の挟み込み作戦の効果もなくなる時が迫っているとの事だな」
「はい」
「北海道は海軍力に欠ける、余市防備隊も兵力が不足しているらしく
ソ連の太平洋艦隊に太刀打ちできるかが問題だ」
「まさか…北海道が陥落するんじゃ?」
「ハハッ なにを言うか、相手はただでさえ金のないロシアがふたたび赤化した
第二ソビエト連邦だ、我々が持ちこたえれば勢いはなくなるだろう」
「そう簡単にいきますかね?」
「もちろん今のはジョークだ、ハッキリ言ってソ連は物が多い。
だが日本は負けない」
一方日本空軍では-
「くっ…うぅ!」
「がんばれ、Gに耐えられなければ戦闘機乗りにはなれない」
麻衣は戦闘機乗りになるため必死であった。
愛する者を守る為に…
「はぁ…はぁ ところで山梨さん?」
「なんだね?」
山梨とは空軍の教官である。
「一人前になるには何ヶ月ですか?」
「ハッキリ言えば一月なんぞで一人前にはなれない、最低でも五年だ」
「ごぉ・・・五年!?」
「そうさ、五年だ」
一般的に一人前のパイロットになるには5年はかかる。
麻衣は不安になった、自分は実戦に間に合うかが。
その後も厳しい訓練が日々続いた。
一方地上ではタカの中将の巧みな戦法で
ソ連軍は石狩川を超える事ができなかった。
一方で日本軍もその先から進軍することはできなかった。
完全な消耗戦となってしまったのであった。
しかしソ連軍爆撃隊が第11師団の戦力低下を狙い襲撃してきたのであった。
その数は100を超えていた。
第2航空団司令官尾上定正
「まずいな、現役パイロットだけではたりないぞ…」
「戦力の大半を中韓北が攻めてくるであろう日本海側の基地に
もってかれちゃいましたからね、予備の航空機を操縦するパイロットがいません」
「あまり手段としては好ましくないが…訓練生も戦闘に出すほかない」
「しかし彼らは!」
「これは戦争だ、たしかに貴重なパイロットを失いたくはない、
だが陸軍がやられてしまえば北海道はおしまいだろう」
「…」
「…」
「仕方ない、それにほかの航空隊だったそうするだろう」
尾上はやむをえず訓練生を実戦に出すことにした。
その中には軍歴僅か2ヶ月の麻衣もいた。
「うそ…私なんてまだロクに飛行機も操縦できなくて…」
「心配するな、俺の言うとおりにすればどんな素人も操縦できるはずだ」
2ヶ月という期間は早すぎるかつロクに操縦もできない。
訓練生が実戦にでたというのはどこの軍隊でもある話だが飛行時間が1時間未満の
麻衣のようなパイロットは飛ぶだけで非常に危険である。
(最もこのような者はまだ飛行機に乗れないのだが)
しかし麻衣には自分に知らない力があった。
それは曾祖父が残した力だった。
操縦桿を握った瞬間、麻衣にはなにかが伝わった。
「なにこれ? 触った事もないし操縦方法もちょっと教わっただけなのに…
なんだか今なら飛ばせそう…」
そう言うと山梨教官から無線が入る
「全機出撃だ、私の機体に続け!」
山梨は教官もしているが実戦にも参加できるベテランであった。
そして山梨自身もある力を持っていた。
ゴオォォォォォォォォ
ジェットエンジンが響く。
「すごい…始めてなのに操縦できた!」
麻衣は触ったこともないF-15戦闘機を操縦できたのだった。
山梨の能力は人に眠る能力を見抜けることだ。
これは彼の祖父の能力であった。
彼の祖父はあまり有名ではないが零戦で86機も撃墜した撃墜王であったと同時に
若い奴の能力を見抜きすごいと言った奴はみな10機以上撃墜した。
その能力が山梨に遺伝したのであろう、山梨は麻衣を「すごい奴」と見抜いたのだ。
しかし麻衣自身そんな事には気づきもせずまたなんのことかもわからない。
しかし今麻衣は笑っている、戦時中であっても麻衣は笑っている。
そう、守る為の一歩「飛ぶ」事に成功したのだった。
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