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神野守の独り言ラジオ「第4回 神野守短編集第1巻収録・鏡を割る女」

 え~、皆さんこんにちは! 神野守でございます。神野守の独り言ラジオ第三回の「選ばれた私」はいかがでしたでしょうか? 今回は第四回と言う事で、短編集の中から「鏡を割る女」にしたいと思います。


 女性が主人公の話がよく出てきますねえ。「鏡を割る女」という風に、女という言葉を使っていますが、決して差別的な意味合いではございません。「鏡を割る女性」あるいは「鏡を割る女の人」と言うよりも、スパッと「女」と言う風に言った方が、響きが良いかなと思った次第です。


 女性の皆さんにとって、鏡は必需品ですよね。お化粧をする時には、必ず鏡に向かうはずです。私などは髭を剃る時に鏡を見たりしますが、鏡を見なくても髭は剃れますので、鏡がないと生活出来ないという事はありません。それほど女性にとって身近な存在である鏡を、主人公は割るんですね。


 「鏡よ鏡、世界で一番美しいのはだ~れ?」って聞くのは、白雪姫に登場する白雪姫の継母ままははです。彼女は、嘘を言わないと言う鏡を持っています。鏡がしゃべるって事自体が凄い事ですよね。魔女が王宮にまで売りに来たんでしょうかね?


 まあとにかく、この継母は、何度聞いても白雪姫が世界一美しいと言うこの鏡を、最後まで割らないんですよ。普通だったら、いつまでたっても自分の事を世界一美しいと言ってくれない鏡なんか、頭にきて割ってしまいそうだと思いませんか? でも、彼女は割らなかったんです。それほどまあ、貴重な鏡だったのでしょう。


 まあ鏡って、夜の病院で見たら、後ろに幽霊が映っていそうで怖いなあなんて思うんですが、それでもまあ、女の人にとっては大切なものです。その鏡を割ろうって言う心理、皆さんも想像してみてください。


 この主人公は物語の冒頭で、二十三年間生きてきて、急に鏡が嫌いになったと告白しています。彼女は、子どもの頃から周りの人たちに「可愛いね」と言われてきて、自分でも美人な方だと思ってきました。小学校の学芸会ではいつも主役でしたし、中学時代には学校一の美少女と言われ、その噂は他の学校にも届いていて、ラブレターをもらう事は日常茶飯事でした。


 高校生になると、読者モデルにスカウトされ、大学生になるといろんなミスコンで優勝しました。異性からだけでなく、同性からも憧れの存在だったのです。そんな彼女に変化が訪れるきっかけがありました。それは目の手術です。


 モデルとしてデビューした彼女でしたが、目を手術してから、周りのモデルが自分よりも綺麗に見え始めたのです。それまでは、自分よりも綺麗な人なんていないと思っていたのに。そんな思いが膨らんでいった彼女はストレスを抱えるようになって、顔が変わっていくんですね。


 その顔の変化は、本人にしかわからないようで、周りの人は何も変わってないって言うんですよ。ちょっとこれ、怖いですね、ホラーですね。誰かに顔を乗っ取られたような感覚になっていくんですね、彼女は。そうして、少しずつ少しずつ精神を病んでいくんです。


 まあここまで来ますと、自分を綺麗に映してくれない鏡が憎くなるのも仕方ありませんよね。なので、もし私が白雪姫の作者だったら、継母に鏡を割らせたいなあと思うんですよ。でも、割ろうとしてもなかなか割れないい、な~んて感じにしたいんですけどね。


 いつまでたっても本当の自分を映してくれない鏡、彼女はもう、鏡を見るのが嫌いになりました。憎くて憎くて、仕方ありません。そしてついに、ガシャーンという音が聞こえて、母親が見に行くと、娘が鏡を割っていたというわけです。


 この主人公、女優さんでは誰が似合いますかねえ? 今、パッと思い浮かんだのは、谷村美月たにむらみつきさんですねえ。母親役は木村多江きむらたえさんにやっていただきたいなあと思います。最後まで語れなくて申し訳ありませんが、気になる方は、実際に本を買って確認していただければと思います。神野守の独り言ラジオ、第四回目は「鏡を割る女」でした。今後もよろしくお願いいたします。

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