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神野守の独り言ラジオ「第3回 神野守短編集第1巻収録・選ばれた私」

 え~、皆さんこんにちは! 神野守でございます。神野守の独り言ラジオ第二回の「嫌いな左手」は聴いていただけましたでしょうか?今回は第三回と言う事で、やはり短編集に収録されている「選ばれた私」にしたいと思います。


 「選ばれた私」って表題、いかがですか? 前回の「嫌いな左手」に比べるとどうでしょう? なんか、嫌いなって表現よりも、選ばれたっていう響きの方が良い感じですよね? この題名だけ見ると、ハッピーエンドかなあって考える方もいらっしゃると思いますが、本当のところはどうでしょう?


 主人公は美由紀と言う女性です。幼稚園の頃、彼女には好きな男の子がいました。翔君と言いますが、目がくりっとして可愛い彼は、女の子たちの憧れの的だったんですね。英語劇をやる事になって、当然主役は翔君なんですが、美由紀としては彼の相手役になりたかった。


 でも相手役に選ばれたのは、誰もが美少女と認める紗理奈でした。そして、翔君と紗理奈は二十年後に結婚します。ここで美由紀は思うんですね。もし自分が相手役をやっていたら、翔君と結婚していたのは私だったはずだと。この辺の発想はまあ、自分に都合が良すぎると言いますか、ストーカー体質なのかなあと思っちゃいますね。


 こういうストーカー体質の人って、私の小説の中には度々登場します。ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、心霊鑑定士加賀美零美シリーズがありまして、占いを生業なりわいとする零美のお店にはいろいろなお客さんが訪ねてくるんですが、ストーカー体質の方もよく来ます。


 まあ、私自身が、そういう素養が無きにしもあらずなわけで、粘着質と言いますか、執念深いと言いますか、諦めが悪いと言いますか、ある人をしつこく追いかけた経験がありまして、相手の方には本当に迷惑をかけてしまったなあと反省しております。この場を借りて謝らせてください。あの時は本当にすいませんでした。


 え~、話は戻りまして、美由紀はその後、小学校の頃に有名私立中学を受験します。「一緒に行こうね」って約束した友だちの愛菜だけが合格して、美由紀は残念ながら不合格でした。その後、愛菜は有名私立大に進み、今はアイドル的人気の女子アナになっています。


 ここでまた、美由紀は思うんですね。もしも私が合格していたら、女子アナになったのは私の方だったのにって。まあこれも、都合が良すぎると言いますか、例え中学受験でうまくいったとしても、女子アナになれるかどうかは別の話なんですけどね。まあ、こんな考え方をする女性なわけです。


 そして彼女は、中学ではバレー部に入ります。そこでまあ、セッターをするんですけど、同学年の久実くみが正セッターで、美由紀は控えのセッターなんです。久実は天才的なセンスを持っているので、いくら美由紀が努力しても、レギュラーになれなかったんです。


 この久実って名前は、現在、女子バレーボールの日本代表監督をしていらっしゃる中田久美さんがモデルです。私も高校時代にバレーボールやってまして、彼女は中学三年の十五歳で全日本入りでしたから、すごい衝撃を受けました。そんなこんなで、尊敬の意味を込めてモデルとさせていただきました。


 そしてまあ、久実は中学高校と全国優勝して、日本代表に選ばれてオリンピックに出場、国民的スターになります。ここでも美由紀は、もし自分が正セッターだったら、私がオリンピックに行ったはずなのにって思うんですね。これはまあ、あり得る話かも知れませんね。まあでも、すべて「たられば」の仮定の話なんですけどね。


 高校の頃には、友人の咲良さくらと一緒に歩いていて、モデル事務所のスカウトから声をかけられるんです。私がモデル?って期待するんですけど、実はスカウトされたのは咲良なんですね。咲良は人気者になって、その後は、自分でデザインした洋服を販売する年商三億の会社の社長になります。


 それを見ながら、もし私がスカウトされていたらって、やっぱり妄想するんです。期待を裏切りませんね、美由紀は。彼女にとって、自分の人生は「選ばれない人生」だったんです。まあ、そうそう選ばれる人もいませんし、選ばれる方が珍しいって普通の人は考えるんですけど、彼女は、「選ばれない」っていうキーワードが心の中で大きくなっていくんです。


 そのため、その後の人生もうまくいきません。大学受験に失敗、進学を諦めて就職しても会社がすぐに倒産、その後、アルバイト先で出会った男性と関係を持って妊娠をするも、妊娠がわかった途端に彼が逃げて行きました。なんとも、壮絶な人生を繰り返す彼女なんですが、じゃあいったい「選ばれた私」って何なの?って思いますよね。


それは本当に申し訳ないんですが、ネタバレになってしまうので申し上げられません。ごめんなさい。是非とも、実際に本を買っていただいて確認していただきたいと思います。神野守の独り言ラジオ、第三回目は「選ばれた私」でした。今後もよろしくお願いいたします。

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