表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小料理 タヌキ屋 2  作者: まんまるムーン
6/12

6




俺は寝ている女将に話し続けた。


「女将…俺さ、さっきからいかに俺の元カノが嫉妬深くて愚痴ばっかり言う最悪な女だって言ってるけど…俺も同じことしてるよな…」


俺は残りのハイボールを飲み干した。


「同類でもいいじゃない? 吐き出さなかったら、あんたパンクしてるわよ。」


「女将、起きてたの?」


「結婚は年でするものじゃない。あんたは一杯いっぱいだったのよ。そんな時に元カノの事まで考えられる余裕なんて無いでしょ?」



 確かに俺は元カノと付き合い始めてしばらくして、昇進して部下もできた。新しいプロジェクトも任された。大きな仕事を任せてもらえるようになって、周りに認めてもらいたくて、元カノにもすごいと思ってもらいたくて、実力以上に頑張りすぎていた。



 もうガス欠寸前だったんだ…



「余裕ができてから、したい事すればいいじゃない。」


「…女将…」


涙がスーっと頬を伝った。



 その時、変な音楽が流れてきた。盆踊りのような音頭のような…


「お客さん、踊りましょ!」


「…いや…自分、踊りはちょっと…」


「あんた若いのに何言ってんのさ!」


女将に引きずられて仕方なしに踊りだした。女将のヘンテコな踊りを見様見真似で真似した。なんだか愉快になってきた。


「そうそう! あんた筋がいいわよ!」



「マジっスか?」


酔いもまわって俺は恥ずかしげもなく踊り狂った。タヌキ女将も楽しそうに笑っている。


 楽しいなぁ~

 愉快だなぁ~



店の中であるはずなのに、頭上にはお月様が見えた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ