表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法学院物語  作者: 彪紗
4/7

『ヴァンパイア』

ヴァンパイアもダンピールも、資料を元に作った独自の設定ですので、ご了承ください。


ヴァンパイア。

吸血鬼とも呼ばれ、人間の生き血や精力を貪る、フィクションにも登場する者たち。


この魔法学院にも、ヴァンパイアの末裔が通っている。


「…うぅ…っ血が足りない…」

「あのさ、血が欲しいならちゃんと言えって言ったよね?」


真っ青な顔で倒れているヴァンパイアを、呆れたように見つめる少女。


「ナイトはどうせあたしの血しか吸えないでしょ」

「うぅ…ラティ…恥ずかしいからこんなところで言わないでくれ…」

「何を今更…」


ヴァンパイアの言い伝え。

『恋をしたヴァンパイアは、その相手の血しか吸えなくなる』


そのヴァンパイアであるナイトもその例外に漏れず、ラティに恋をした瞬間、他の者の血を吸うことが出来なくなった。


「それに、吸うなら…ベッ」

「こんの色ボケヴァンパイアがっ!」

「うぐっ!」

何を考えたか即座に察知したラティのアッパーがナイトの顎に決まる。


「いいから行くよ」

顎をおさえて蹲ったナイトを引きずっていくラティ。


ラティが入ったのは使われていない空き教室。


「ほら」

ラティが腕を差し出すと、ナイトはしぶしぶ口を開けて噛みついた。


しばらく、水音が響く。


「…っはぁ…甘い…ラティの血は、甘いな…」

「そりゃ、どうも」


シュゥウ…と音を立てて治癒していくラティの腕の傷。


「……【魔血】は…便利だな」


臓器型の魔力体【魔血】はラティの能力だが、ラティにはナイトにも言っていないことがある。


それは、彼女がハーフヴァンパイア―ダンピールだということ。


通常、ヴァンパイアと人間の間に生まれた子は、生まれてすぐに死んでしまうことが多い。

しかし、まれにきちんと成長する子供もいて、ラティはそんなダンピールの一人だ。


ヴァンパイアの血がそうさせるのか、必ずダンピールは【魔血】を持ち、高い治癒能力と、個々の能力を一つ以上持つ。


ラティの持った能力は、血を魔力によって自在に操る能力。

魔力の込め方によっては、血の鉄分を利用して剣に変化させることすらできる。


「さ、血も補給したし、さっさと戻りましょうか」

「もう少し、二人きりでいたい」

「甘えてもダメ。講義に遅れちゃうし。ほら、立ちなさい」

「……」

「はぁ。なら、夜にね」

「ああ」


彼女が許可を出すと、頷いたナイトは鼻歌を歌いながらラティの手を引いていく。


現代におけるヴァンパイアの青年は、普通の青年となんら変わりがないのである。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ