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異世界の王女は現代で異世界の夢を見るか  作者: うあこ
第一章 2人の王女は現代に適応する
7/14

美味しいは正義

 料理が次々と運ばれてくる。

 フィオナのシーザーサラダから始まり、俺の頼んだポテトサラダ、コーヒー、フライドポテト。そしてルッカが頼んだ一ポンドの大きなステーキ。


 フィオナは上品にフォークでサラダを口に運び、ルッカは目を輝かせてナイフとフォークを握りしめ、ステーキを切り分けていく。


「野菜が新鮮で美味しいのはもちろんだけど、この上にかかっているソースがすごいわ! 最初は酸味が強いのに、削ったチーズかしら? 旨みがあってとても濃厚よ!」


 上品さを崩さないまま、フィオナは幸せそうに微笑む。


「こっちの肉もすごいぞ! 柔らかいのに弾力があって、上のソースが抜群に合ってるぞ!」


 醤油ベースのステーキソースが気に入ったらしいルッカも、満面の笑みで肉を頬張っている。


「美味しいならよかった。こっちもどう? たぶん気に入るよ」


 コーヒーを飲みながら、フライドポテトとポテトサラダを勧めてみる。


「これもサラダかしら。野菜の上に何か乗っているわね」


 小皿に取り分けたポテトサラダを口に運び、フィオナの目がぱっと輝いた。


「すごく美味しいわ! なんだか懐かしい味がするわね」


 その横で、ルッカはフライドポテトを手でつまんで口に入れる。


「これも美味いぞ! サクサクで中がホクホクだぞ!」


 二人の食べっぷりを見て、俺も自然と笑顔になる。


「それね、どっちも“じゃがいも”っていう芋を使ってるんだ」


 説明すると、二人はそろって目を丸くした。


「じゃがいもって、あの? 毒があるから普通は食べないと思っていたのだけれど」


 フィオナが代表して口にする。

 俺はむしろ、じゃがいもが異世界にも存在していて通じたことに驚いた。


「毒があるのは芽の部分だけだよ。そこを取れば普通に食べられる」


 そう言うと、フィオナは悔しそうに視線を落とした。


「そうなのね……知っていれば、飢饉の時にもっと多くの同胞が救えたかもしれないわね……」


 やはり異世界は厳しいらしい。

 現代では実感しにくいが、食べたい時に食べられる世界は当たり前ではないのだと、改めて思う。


 三人で会話をしながら食べていると、あっという間に皿はすべて空になった。


「ふー、食ったぞ!」


 ルッカが腹をさすりながら満足げに言う。


「まったく、上品さが足りないわ。仮にも王女でしょう? もう少し優雅さを心がけなさい」


 水を飲みながらフィオナが注意する。


「王位とはほとんど関係ない身分だからな、細かいことは気にしないぞ」


「そういう問題ではないのだけれど……」


 フィオナは呆れたようにため息をついた。


「まあまあ、満足してくれたなら嬉しいよ」


 二人のやり取りに苦笑しながら、会計のため席を立つ。


「じゃあ、帰ろうか」


 二人も同時に立ち上がり、三人でカウンターへ向かった。

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