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異世界の王女は現代で異世界の夢を見るか  作者: うあこ
第一章 2人の王女は現代に適応する
6/14

言葉の違い

入店した俺たち三人は、店員に席へ案内された。

 座るとすぐメニューを取り、二人に見せる。


「色々あるよ。どれでも好きなの食べていいから」


 ルッカとフィオナはメニューの写真を見て、感嘆の声をあげた。


「すごいわね。綺麗な絵がいっぱい載っているわ。高名な画家を雇っているのかしら」

「どれも美味しそうだぞ!」


 それぞれの感想に、思わず笑みがこぼれる。


「決まりそう?」


 そう聞くと、二人は困った顔でメニューから顔を上げた。


「大変よ、凪」


 フィオナの真面目な声に、思わず身構える。


「ど、どうしたの?」


「このメニュー……字が読めないわ!」

「読めないぞ!」


 字が読めない?


「そういえば、最初から普通に会話は出来てたよね。でも文字は読めないの?」


 頭の中に疑問符が浮かぶ。

 そもそも異世界から来た二人と、なぜ最初から会話が成立しているのか。

 異世界の公用語が日本語なはずもない。


「言葉に関しては、どの種族とも話ができるようになっているのよ。そういう魔道具があるの。知性ある種族同士の争いを防ぐため、成人した各種族が所持を義務づけられているわ」


 フィオナは首に掛けた、小さな宝石付きのネックレスを見せてくれた。


「ルッカもあるぞ!」


 袖をまくると、同じような宝石の腕輪が嵌っている。


「そうなんだ……便利だね、魔道具って」


 素直に言うと、


「そうね」

「そうだぞ!」


 二人が頷く。


「細かい話は省くけれど、この魔道具の魔法が完成するまでは戦争の歴史だったそうよ。完成させた当時の賢者に感謝ね」


 目を閉じて語るフィオナに、わずかな哀愁が漂う。

 激動の時代があったのだろう。


「人間なのにすげーやつだったらしいぞ!」


「賢者は人間だったんだな。世の中には想像もつかない人がいるもんだ」


 いつの世にも偉人はいる。そう思って、はっと我に返る。


「それより料理決めないと。絵だけで選べそう?」


 二人は少し考え、それぞれ指で料理を示した。


「じゃあ注文するね」


 店員を呼び、二人の料理と三人でつまめる品、それにコーヒーを頼む。


 料理が来るまで、ルッカとフィオナは興味津々でメニューを隅々まで眺めていた。

 楽しそうな様子を見ていると、唯一の肉親だったじいちゃんを失って冷えていた心が、少しだけ温かくなるのを感じた。

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