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異世界の王女は現代で異世界の夢を見るか  作者: うあこ
第一章 2人の王女は現代に適応する
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違う世界

後の方の話の関係で少しだけ修正しました。

転移魔法が御伽噺レベルの魔法→一部の限られた魔法使いのみが使える魔法

 家に帰って来た時には、もう夜だった。

 帰りの新幹線で軽く食事は済ませていたし、酒を少し飲んだら寝るつもりだったのだが、なんやかんやしているうちに日付が変わる直前になっていた。


「どうしようかな、食べるものがないな……」


 冷蔵庫の中は、帰省の前に空にしていた。

 もともとあまり料理をしないので、普段から大した物は入っていないのだが。


「食べられるもの、ないんだぞ……?」


 ルッカが悲しそうに目をうるませる。


「蓄えもないくらい貧乏なのね。今は魔物の影響で人間の国は大変だと聞いたわ。どうしても食べたいのなら、魔物を狩ってきたら?」


 フィオナがやれやれと手を振るのを、慌てて止める。


「待って、ダメだよ! そもそもこの辺に狩れる魔物はいないから! それに……」


 そこで気づく。

 二人は、ここが元の世界とは違う場所だと理解していない。


 どう説明するべきか、少し考えてから口を開いた。


「落ち着いて聞いてほしい。まず、周りを見てみて」


 二人が改めて部屋を見回す。

 市営住宅の3DK。ダイニングから続く狭いキッチン、並んだ家電。

 背後には少し大きめの液晶テレビとゲーム機、天井近くにはエアコン。

 初めて見る物ばかりのはずだ。


「これは……今気づいたけど、見たこともない物が沢山あるわ」


 フィオナが目を丸くする。


「なんなんだぞ、これ……うわっ」


 適当にリモコンを触っていたルッカが、突然ついたテレビに驚いて声を上げた。


「ここは、二人がいた世界とは……違うんだ。別の世界なんだよ」


 俺の言葉に、二人は唖然とした顔になる。


「ちょ、ちょっと待って。ならさっきの魔法陣は、転移魔法だったとしても限られた一部の魔法使いしか使えないレベルの魔法なのに、それ以上の魔法ってこと……!?」


 フィオナが頭を抱える。

 一方でルッカは目を輝かせていた。


「違う世界……!? そんなの可能なんだぞ!? あの魔道具にはそれを可能にする力があるんだぞ……!?」


 どうやら見方が真逆らしい。

 フィオナは魔法、ルッカは魔道具。

 エルフとドワーフだと考えると、妙に納得できる。


「あれもこれも、もしかしてこれも!? 魔道具なんだぞ!?」


 テレビや家電を指差して騒ぐルッカを「まぁまぁ」と宥める。


「魔道具じゃないよ。化学っていってね、魔法を使わずに動く仕組みなんだ」


 それでもルッカは興味津々で触り続けている。


「詳しい話は後でにしよう。お腹空いたでしょ? ご飯を食べに行こう。細かい説明はそのあとで」


「そうね、そうしましょう」


「お腹空いたんだぞ! 食べるんだぞ!」


 ひとまず問題は全部棚上げにして、三人で食事に出ることにした。

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