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異世界の王女は現代で異世界の夢を見るか  作者: うあこ
第一章 2人の王女は現代に適応する
14/18

買い出しに行きます

 某ディスカウントストアの大きな看板。その上には、青いペンギンのマスコットが乗っている。


 俺は店内に入り、まず服売り場へ向かった。

 ひとまず必要なのは部屋着だ。


 ゆったりしたスウェットの上下セットを手に取り、二人の身長を思い出しながらサイズを選んでいく。


 ルッカの分が子供用コーナーになってしまったのはご愛嬌だ。


「まあ、あの身長だしな……」


 小さく呟きながら、それぞれ二セットずつカゴに入れる。


 ふと、隣のコーナーが目に入って手が止まった。


「そういえば……下着もいるよな」


 着替えなんて持っていないはずだ。

 同じ物を履き続けるわけにもいかない。


 だが、俺が選んで買って帰って、果たして喜ばれるのだろうか。


 想像すると、少し胃が痛い。


 しばらく悩んだが、買わずに不便な思いをさせる方が問題だろう。

 冷たい目で見られる可能性は、甘んじて受け入れようと決めた。


「こんな事ならルッカに付いてきてもらったら良かったな……」


 今さら言っても仕方がない。


 フリーサイズと書かれた数枚セットを二つ、そっとカゴに入れる。

 ついでにタオルや歯ブラシなど、細々した生活用品も追加していく。


「後は布団だな」


 寝具売り場へ向かう。


 種類は意外と多い。

 安すぎてぺらぺらなのも不安だし、かといって高級品を買う程には余裕もない。


 悩んだ末、比較的しっかりしていそうな布団を二つ選び、抱え上げる。


「結構重いな……」


 真空処理されているとはいえ、なかなか嵩張る。

 だが何とか持って帰れそうだ。


 会計を済ませ、両腕に荷物を抱えて店を出る。


 こういう時、車が欲しいと心底思う。

 だが普段は仕事でも使わないから、なかなか踏み切れずにいた。


 フィオナとルッカが家に来た。

 これから三人でどこかへ出かける事もあるかもしれない。


 そう考えると、買うのも悪くないのかもしれないな、と少し前向きな気持ちになった。


 家に着く頃には息が上がっていたが、何とか辿り着く。


 ほっとした瞬間、玄関の扉が開いた。


 どうやら先に帰って、待っていてくれたらしい。


「おかえりなさい。重かったでしょう?」


 抱えている荷物を見て、フィオナが労わるように言う。


「大丈夫、全部必要なものだからね」


 よいしょ、と部屋の隅に荷物を下ろす。


 冷蔵庫からお茶を取り出してコップに注ぎ、椅子に座って一口飲む。

 やっと落ち着いた。


 ふと見ると、ルッカが大量のレジ袋から食材を取り出し、冷蔵庫に詰めている。


「たくさん買ったんだね」


 責めるつもりじゃなくて、ただの感想だ。


 だが二人は同時に目を逸らした。


「その……ごめんなさい」


 フィオナが急に謝る。

 隣ではルッカが、音の出ない口笛を吹いている。


 なんだか嫌な予感がする。


「大丈夫? 何かあった?」


「その、色々美味しそうなものがあって……つい、買いすぎてしまったのよ」


 フィオナは苺のパックやぶどうを取り出しながら、申し訳なさそうに俯いた。


「凪のお金なのに、無駄遣いしてしまって……」


「いやいや、それくらい全然大丈夫だよ。何かトラブルでもあったのかと心配したよ」


 胸を撫で下ろす。


 その時、ひとつの袋が目に入った。


 中身は大量のお菓子だった。


「えーと……これは?」


 俺の問いに、ルッカが元気よく答える。


「美味しそうだったんだぞ! 大丈夫だぞ!」


 何が大丈夫なのかは分からない。


 フィオナを見ると、さらに申し訳なさそうな顔をしていた。


「いつの間にかカゴの中に入っていて……気付いた時には、購入した後でしたの……」


 いや、この量は気付いてほしかった。


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