初めての朝
目が覚める。ソファーで寝ていた自分の状況で、昨日の出来事を思い出す。
「こうしちゃいられないな」
急いで身支度をして家を出ると、近所のコンビニに走ってお弁当やサラダ等の食料品を買い漁る。家に何も無いのだから、買っておかねばフィオナとルッカの食べるものが無いのだ。
急いで会計を済ませると、家に戻る。扉を開けて家に入ると、丁度同じタイミングで2人が寝ていた部屋の扉が開いた。
「おはよう……」
フィオナが目を擦りながら出てきた。服がないのでそのまま寝たせいか、少し服にシワができている。
「おはよう、ルッカは?」
「まだ寝てるわよ……」
ちらりと部屋を覗くと、ルッカは大の字でヨダレを垂らして寝ていた。
「何度も蹴られてあんまり眠れなかったわ……」
フィオナが眠そうにしているのをみて、思わず苦笑が漏れた。
「とりあえず、朝ごはんにしよう。悪いけど、ルッカを起こしてもらえるかな」
フィオナにルッカの事を頼んで、自分は買ってきたものをテーブルの上に並べていく。シリアルを皿に入れて、牛乳をコップに入れる。ついでにバナナを1本ずつ置いておく。弁当類は冷蔵庫に入れる。
そうこうしていると、フィオナに続いてルッカも起きてきた。
「……」
目が開いてないルッカは、半分寝ているようだ。頭ががくんがくんと揺れている。
「ほらルッカ、朝ごはんだよ」
声をかけると、ルッカの目がカッ!と開いて辺りを見渡す。テーブルの上のご飯を見て、笑顔になる。
「おはよう!!」
急に元気になったルッカに再び苦笑しつつ、椅子に座る。
「とりあえず買ってきたから、食べよう。いただきます。」
手を合わせて食べようとすると、2人が真似をして「いただきます」と手を合わせた。
「このいただきますって何か意味がありますの?」
ルッカが猛然と食べ始める横で、フィオナが聞いてくる。
「自然の恵みに、生命に、作ってくれた人達に。感謝の心を示すんだ。日本は平和で食べ物がすぐに手に入るけど、手に入らない人達だって沢山いるからね。」
その言葉にフィオナは「そうよね」と頷きながら食べ始める。
「あって当たり前と思っていても、無くなる時は一瞬なのよね。身に染みて知っているわ……」
少し空気が重たくなるが、すぐにルッカの「美味いぞ!」と叫ぶ声が空気を軽くしてくれる。
バナナの皮の剥き方を教えて、ぱくりと食べるとフィオナも「とても美味しいわ」と少し笑顔が戻って表情が和らいだ。話を聞く度に異世界の過酷さを知って、大変な思いを沢山してきたんだろうな、と思いを馳せた。




