眩しい朝
今日も良いお天気で、窓から入る朝日が眩しかった。私達はそれぞれワンピースに着替える。
今日は私が白に水色のレース、マイラがベージュに赤のレース。マイラはなぜか少し落ち着いた色が好みのようだった。
そういえば、旅行が決まったとき、侍女が着替えの仕方などを教えてくれた。コルセットがなければ楽勝よ。ふふんと思いながら、メイクもする。といっても、これもパウダーと口紅だけだけど。
用意を済ませてしばらくしたら、ライとお兄様がやってきた。
「おはよう……今日のワンピースも可愛いね」
ライが褒めてくれるけど、なんだか覇気がない。大丈夫かしら?
「ありがとう。眠れなかった?」
「少しだけね。馬車で眠らせてもらうから大丈夫だよ」
朝食を摂った後、予定通り少し街歩きをする。露天は朝からやっていて、手作りの細工物を並べてる人がいた。フリマみたいだ。
「かわいい!」
足を止めると、マイラも覗いてうなずいて、私の腕を取った。
「細工が見事ね!」
その髪飾りはシルバーの細工が細かくて蔦模様に、小鳥と小花が物語のように配されていた。アクセントの石も可愛い。
「お客さん、お目が高いね。全部手作りだけど、そこの品は本物の石を使ったから高いんだ」
お兄様も来て、睨むようにじっくり見る。
「本物のパールと……」
「サファイアだよ。そっちのピンクのもサファイアだ」
「石も悪くないし、シルバーの細工も素晴らしいが、店はないのか? この辺りの職人はこれくらい作れるのか?」
「どうかな? おいらは独立したところなんだ。そこの2つ以外はガラスだよ」
「レイにマイ、たまには違う色にするかい? マイ、青い石も紅い髪に映えるぞ」
たしかに、ハッキリした色が映えた。
目を丸くしながら頬を染めたマイはとても可愛いかった。
「レイの分は、ライに出してもらおうかな」
お兄様の言葉に嬉しそうに、ライは頷いていた。
「いつもここでやっているのか? 連絡はどう取ればいいかな? この花の細工のもの全部と、そっちのリボンを通したデザインのものも欲しい」
「ひゅー、太っ腹だ。でもこの黒いリボンは、お嬢さんには地味じゃないかい」
「そっちは、店に出すから大丈夫だ。バートン商会の者なんだ」
「バートン! 大店じゃないか。ありがてぇ」
お兄様は、メモを取り交わしてホクホク顔だ。私達はそれぞれ髪に飾りをつけた。
「今度はアメジストの細工物をプレゼントするよ」
私の髪をライがすくった。そこで、お兄様が青い石をマイラに選んだことに気づいた。偶然? マイラはくすぐったそうに微笑んでいた。
「家族への土産は帰りにしよう」
「帰りにも時間はあるかしら」
「……スウェインに入ったら買おう」
それから、私達は昼食用のサンドイッチと携帯用の飲み物を買って馬車に乗り込んだ。
目的地はスウェインでも少し田舎の方らしい。フェイムの辺境の森と接したあたりだから、そうだろう。森の近くで山のあるところか、どんなところだろう。




