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【連載版】ざまぁの神様は可愛い末っ子  作者: 小内 ゆずか
第1章 美しくないから婚約破棄なんてダメでしゅ
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7 ざまぁ炸裂後の王国


「ウフフ、気分爽快スッキリですわ」


仕事を終えた美の神がスッキプしながらやって来た。


「ねぇねーおかえりでしゅー」


駆け寄ってきた末っ子を抱きしめて、スーハーとその香りを満喫したあと、上機嫌にクルクル回っている。


「スッキリじゃねえよ。どう見てもやりすぎだろ!」


「…どうするんですかあの国」


「自業自得ですわよ。オホホ」


王城で貴族達の顔を醜くさせたあとも美の神は止まらなかった。いや誰にも止められなかった…。

ノリノリで全貴族どころか国民まで魂の醜さに応じた顔にしてしまったのだ。


それでも、国民には多少遠慮したのか変化時の顔の痛みは無しにして、寝ている間に変化するように調整したらしい。


いまや王国全土で上を下への大騒ぎだ。


今回、美しさを盾に傲慢に振舞う人々を見て、相当はらわたが煮えくり返っていたらしい。荒ぶる神が顔を出すくらいだから当然か…



「ぼくじょうずにおちごとできたかなぁ?」


「とうぜんですわ!(わたくし)とザマちゃんが組めば最強ですわ。」


「へへ。さいきょーでしゅー」


「そうですわ。二人で最強ー!フフフっ」


「さいきょー!」



はぁ〜〜


ルンルンと楽しそうに踊りながら話す2人を見て、大きくため息をつく神々。

「俺たちは後始末係かぁ」と肩を落としながらサンフラワー王国を映すモニターに視線を戻すのだった。




◇街角の国民


「おい、あの通達本当か?心の醜さと美しさで顔が変わるなんてありえないだろ⁈」


「本当らしいぞ。ちょっと顔が良いことを鼻にかけて女を取っ替え引っ換えして貢がせてたダリスが家に引き篭もっているらしいぞ」


「マジで?」


「ああ、それにいつも嫁いびりしていた乾物屋のヒステリーババアも顔を出さなくなったってさ」


「ああ、あそこの!あの嫁さんいい人そうなのにいつも怒鳴られて可哀想だと思ってたんだ」


「そうなんだよ!嫁さんの方はちょっと綺麗になってんだよ」


「へー、すげーな」


「まぁオレたちの顔は変わらなかったけど普通が一番だな。ハハハ」


「そんなこと言ってるけど、お前が急に街のゴミ拾いなんか始めたのは美しくなりたいからだったんだな?」


「いや…その、なんて言うか…オレだってちょっとは美形になりたいんだー」




◇国王の執務室


「陛下、人がまったく足りません!」


「この大変な時に、あやつら引き篭もりおって!仮面でも送りつけて出てこさせろ。こうなったのは誰のせいだと思ってるんだー」


「仮面つけるのも恥だとか言いそうですね…仕事しろって神託ないですかねぇ。ハハハ」


「お前…忙しさで性格変わってないか?」


「あっ、陛下は気にしていた髪がフサフサになって良かったですね。この忙しさでまた減らないといいですね。」


「…」




◇元王太子側近AとB


「オレ達平民になったんだな…」


「ああ。なんでこんな事になったんだろうな」


「この顔でこれから生きていくのか……」


「ああ、だけど神の慈悲があったとかで学生を続けられるだけましだろ。学生寮に入れたし取り敢えずは生きていけそうだ」


「そうなのかな。親からは学費だけは出してやるから生活費は自分で稼げって言われたよ。稼ぐってどうやればいいんだ?」


「俺も知らないよ」


「こんな顔でこれからどうすればいいのかな…」


「…。」


「ところで、お前臭くないか?」


「もう5日も同じ服だからな。着替えもないし」


「買えばいいだろ?」


「金が無い」


「じゃあ、洗濯すればいいだろう?」


「洗濯ってどうやるんだ?」


「…知らん」




◇元王太子の恋人ユーミア


「そこのあなた。私が一緒に食事に行ってあげてもよくてよ。」


「!!!…ゴメンナサイっっ。」


「なんで驚いた顔して逃げるのよー!私と食事に行けたら死んでもいいって言ってたじゃない!」


「ねえ、そこのあなた私と食事に…」


「近寄るな!…気味が悪い女だな」


「なんでよー。父様ったら家が没落したから離縁だなんて酷いわー。浪費しすぎた自分達のせいじゃない!この先どうやって生活すればいいのよ…お腹すいたーーー。…ねぇそこの方、この私が一緒に食事に行ってあげますわよー」




◇冒険者ギルド掲示板前


「砂掘りって依頼がたくさん出てるけどなんだ?」


「神の怒りで砂山になった貴族の屋敷を掘るんだとよ。家の中にあった物が砂に埋まってるって話しだ」


「ふぅ〜ん。それにしても安っすい依頼料だな。庶民舐めてんのか?」


「ああ。しかも行った奴の話しだと一日中怒鳴られた挙句、働きが悪いから依頼料は半額しか出さないとか言い出したらしいぞ。」


「うわっ、ヒデーな」


「ギルドが間に入って全額払ってもらえたらしいけど、地雷案件だって言って誰も引き受ける奴はいないよ。お前もやめといた方がいいぞ」


「もちろんだ。じゃあこっちの公園の花の植え替えってのはどうだ?」


「おっ!その依頼出てたのか!それはとある貴族令嬢から定期的に出るんだよ。なんでも自分の小遣いで依頼しているらしいぞ」


「公園って国の管理じゃないのか?」


「花をみて皆んなが笑顔になったら嬉しいから、少しでも花を増やしたいんだとよ」


「へー。そんな貴族もいるんだな。依頼料も砂掘りの倍だな。よし、この依頼を受けるとするか…」


「待ったー!それ俺が受ける!あの令嬢なんかスッゲー可愛くなってんだよな。元から可愛かったけど倍カワだぜ!」


「なにっ!ワシもやるぞ!」


「てめー抜け駆けすんなよ」


オレが…


俺も…




◇ローズスター侯爵家


「ソニアの奴、第二王子との婚約を断りおって。しかも家を出ていくだと!育ててやった恩を忘れたか

ー!」


「成人前の娘に何もできる訳がございませんわ。じきに泣いて戻るに決まってます。そしたら婚約させて王家からたっぷりと婚約金を頂きましょう」


「旦那様、奥様、お嬢様はすでに成人しています。学園を飛び級で卒業しているので特例が適用されております。」


「なんだとセバス!そんなこと私は聞いていないぞ」


「旦那様にもご報告差し上げております。もうひとつ、お嬢様はご自分の少ない小遣いから資産運用を始めて、天才的な手腕を発揮して今ではこの侯爵家以上の資産をお持ちです。生活に困ることはございませんでしょう」


「な、なんだと…」


「あなた、ソニアを呼び戻して邸宅を建て直させましょう。実父母の頼みですもの従うに決まっているわ」


「陛下のお言葉をお忘れですか?お嬢様に一切の強要をしてはいけない、破れば爵位剥奪とのことだったかと思いますが」


「何を言う!強要などでは無い、あんな娘でも親の役に立たせてやろうという親心だ」


「…。かしこまりました。お嬢様にそのようにお手紙を届けましょう。」


「うむ。急げよ」


「それと私は本日を限りに辞職させていただきます。長いことお世話になりました。」


「は?何を言っている?」


「もう愛想も尽きました。明日には無くなる家ですからね。ではお達者で。」


「おいセバス!セバスーー」




◇元王太子エリック


「俺様をこんな狭い家に閉じ込めおって。何がこのまま外に出したら周りに迷惑だから、そこで庶民の生活を学べだ!この国は狂ってしまったのか!」


「エリック様、そろそろ着替えた方がいいのでは?ちょっと臭いますよ」


「あのような粗末な服を着られるか!」


「…ああなるほど。元王子様は露出狂だってウワサは本当だったんですね!でもね、庶民の間では青年男性の全裸は犯罪なんですよ」


「……。」


「庶民の生活を教えてやって欲しいと陛下直々に頼まれましたからね。ビシバシやりますよー。はい1つ目『全裸は犯罪』はい、復唱して下さい。」


「う、うるさーい!不細工が俺様に指示するな!」


「はぁー、人に不細工なんて言ってはいけませんよ。もっとも、そのお顔に言われても傷つきもしませんが」


「だまれ!だまれ!だまれっ!俺様は偉いんだ、黙って従え!」


「なんで偉いんですか?」


「俺様は王太子だから…」


「ハハハ。王太子どころか貴族ですら無いですよね。私と同じ平民ですよ?」


「うっ、いや…お、おれさまは美しいから…」


「えっとー、どのへんが?手の平とかが美しいんでしょうか?」


「お、おれは……。ちくしょうソニアが悪いんだっ!ソニアのくせに…不細工のくせに……グスッ」


「ほら、泣いてないで。他人のせいにしても時間が無駄なだけです。はい、次は一人でお風呂に入る方法を教えますよー。時間は有限なんですからね平民は忙しいんです。気合い入れてくださいよー」


「ぐすっ…」

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