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プロローグ1〜新たな神の誕生〜

「ざまぁの神様」の誕生のお話しです。

天界に住む神様達のドタバタをお楽しみください。


大幅に改稿しました(10/3)

ここは天界―

神々が住まう聖域である。


色とりどりの花が咲き乱れ、光り輝く美しき場所には神の数と同じだけの神殿がある。


その中心にあるのは天界で最も巨大で荘厳な神殿。ここは全ての神の父である創造神の住まいであり、この星の中心。


普段は静穏なこの神殿だが、今日はいつもと様子が違う。

百を超える神々が祭壇の前に集い騒めいていた。


「随分たくさんの神が集まったな」


「500年振りの神誕生の儀だからな」


「何の神かなぁ。楽しみ~」


近くにいる神たちと話す者や目を瞑ってじっと待つ者、皆が新しい神の誕生を待ちわびている。

そんな騒めきと期待のなか、創造神が閉じていた瞳を開き厳かに告げる。


「皆、静粛に。

 新たなる神の誕生だ。」


創造神が祭壇に両手を掲げると、騒めきが消えて祭壇に視線が集まる。


祭壇上に浮かぶ小さな光。

厳粛な空気の中、その光から金色の霧がもやもやっと溢れて丸い形を作ってゆく。


1メートル程の大きさになると、少しずつ金色の霧が薄れて人影が見えてきた。


神の誕生だ!


「…」


「…」


おや?この星にとっての最大の慶事である神の誕生だというのに何かがおかしい…


集まった神々は目を飛び出るほどに見開いて祭壇上に浮かぶ新しい神を見ている。ポカンと口開けてだらしない顔になっている神までいる。


「ちっちゃくね…」


驚愕による静寂を破り、誰かがつぶやいた。



「ありえない…」


「…おかしいだろ…」


神々のざわめきは広がる。


そう、ありえないのだ。

神とは生まれた瞬間から神。すなわち外見も中身も完成された存在であるはずだ。

なのに祭壇に浮かぶのは、人間でいえば2~3歳くらいの男の子。ふくふくほっぺにぷにぷにの短い手足。


威厳とは程遠いその外見は、神としての職務をこなせるようには見えない。ましてや人々からの信仰を集められるとは思えない。



そして何より神々を混乱させたのは、この神が司るもの…


神は相手を見れば、何者であるかが分かる。

分かるのだが、この新しい神が司るものが何を示すのか誰も分からない。


「ざまぁって…何?」


「何の神だ?」


頭をフル回転させるも答えに辿り着けない。

神の常識を突き抜けた存在に、絶賛大混乱中である。


一方、祭壇上では生まれた瞬間から周囲を大混乱に陥れている小さな神が、長いまつ毛に縁どられた瞳をゆっくりと開いた。

澄んだ湖のような美しい色のくりっくりの瞳でゆっくりと周囲を見渡し、最後に創造神を見つめる。


「…おとうしゃま?」


小首を傾げて問いかけるあどけない幼児。


ずっきゅーん

一瞬で創造神の心を虜にした……かどうかは不明だが、いつも威厳に満ちているその顔がだらしなく崩れた。

しかし、そこは全ての神々の父であるから一瞬で口元を引き締めて威厳顔を取り戻す。

もっとも、神の目は誤魔化せなかったようだが…。


「親父がデレた…」


「シっ、見なかったフリしなさい。ああ見えて父の威厳とか気にしてるんだから」


コソコソと囁きあっているが丸聞こえ。



「コホン…あー改めて皆に紹介する。(おも)に人族からの願いにより新たに誕生した『ざまぁの神』だ。理不尽を諭す神と言えば分かりやすいかの」


何事も無かったように新しい神の紹介をする創造神。さすが神の中の神。


「『ざまぁの神』よ、そなたの兄弟神達だ。挨拶しなさい」


「にぃにとねぇね?」


再びコテンと首を傾げて不思議そうな顔で集まった神達を見渡す幼児。


ずっきゅーん♡

創造神に続き、何かに撃ち抜かれた神が続出。

デレデレ顔の神が約三割に増加―かなりの命中率だ。


だが、狙撃手は追撃の手を緩めない。


「『ざまぁのかみ』でしゅ。よーしくおねがいしましゅ」


幼児特有の舌ったらずな挨拶に、トドメはきらっきらの笑顔でペコリ。


ずっきゅーん♡

ずっきゅーん♡

ずっきゅーん♡

命中率100%達成。全ての神をその可愛さの虜にしたようだ。本当の可愛さとは全てを撃ち抜く凶器なのかもしれない…。


もっとも、この命中率100%には理由がある。

創造神がこの星を創り数万年。天界には幼児どころか子供さえいなかった故に、幼児の笑顔という最終兵器への免疫が皆無だったのだ。


次々に生まれる弟神や妹神も、自分よりも年老いた姿で生まれてきたりするのが当たり前。


今まで経験した事のない可愛さ激盛りの幼児ビームに勝てるはずなど無い。

もはや「ざまぁの神」が何を司る神かなど、どうでもいい。

ただ可愛い、ひたすら可愛い!それだけだ。


ビームに当てられた重症者の中には額に手をあてて「(とうと)い…」と(つぶや)きながらクラクラになっているちょっと危ないものまでいる…。


そこまでいかないまでも、皆もれなくデレ顔。

儀式の厳粛な空気は吹き飛んでいたが、創造神が威厳ある一声でその場を引き締めた。神たちはピシッっと揃って礼をとる。


「これにて神誕生の儀を終わる。

見てのとおり新たな神は幼い。皆は新たな神の見本となり手助けをするように。」


「「「承知いたしました」」」



こうして神誕生の儀は終了した。

この日生まれた可愛い末っ子が、天界だけでなく世界の常識をぶち壊す幼児であることを知るのは――今はまだ創造神のみ・・・。




本日は23時にもう1話投稿予定です。

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