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正体

「麗くんはぬいぐるみ好きかな?」


唐突な質問をする央にキョトンとしながらも麗は好感を抱いた


麗も茉菜も自他ともに認めるぬい活人間だったからだ


「大好きです、うちには鳩とハスキーとゾウさんのぬいちゃんがいますが個人的にフニャフニヤしている子が好きで


今は閉店された〇峰玩具とかふ〇ふ〇さんとか…」


嬉しそうに答える麗に央は瞳を輝かせた


「いいねぇ! じゃあ妹ちゃんとの再会を祝して君たち姉妹に素敵な子たちを贈ろう。実は俺、ぬいぐるみ好きが生じてお店やっていてね…」


おもむろにスマホをとり出すとショップのぬいぐるみを見せてくれる


「気に入った子はいるかな?」


「このシマエナガ可愛いですね~ピンクの鳩ちゃんもいいなぁ。茉菜は?」


「みんな可愛いね! 私は…このニワトリがいいわ」


「わかった! 麗くんは鳩ちゃんで茉菜ちゃんはニワトリさんだね~抱っこして眠れる特大サイズをプレゼントしよう♪」


「え、でもプレゼントなんて申し訳ないです」


「遠慮は無用よ、気に入った人にぬいぐるみを贈るのは彼の趣味だから」


微笑みながら妻の真理に言われなんとなくホッとする


なんだろう…この二人といると不思議と心が落ち着くような気がする


「あ、あの…僕、お店で働かせていただく前に知らせたい姫が二人いるのですが…」


真理がニヤリと悪戯っぽく微笑んで即答する


「その必要はなくってよ…あなた達、入っていらっしゃいな」


「はい、真理様」


真理に言われ部屋に入ってきた舞と裕子に麗は呆然と立ち尽くす


「彼女たちは私の知人でね…あなたの試験官として協力してもらったのよ、ごめんなさいね」


「じゃ…舞様のお兄様が亡くなったって…」


「過去の話なの、今は一緒に暮らしているわ。騙してごめんなさいね」


「真理様に頼まれてね…試すようなことをしてごめんなさい。薫くんはただの友達なのよ」



ヘナヘナ…ペタン


安心して気が抜けたように麗は座り込んだ


「では…お二人とも幸せなんですね…よかった…本当に…」


「翠…ありがとう」


「妹さんと会えてよかったわね…」



「いくら司が見込んだとはいえ…あなたがCamelotに相応しいか知りたかったの…蘇生は…そう易々とするものではないから…」


「思い出すな…俺は姉を蘇生してもらってね。その代償として三か月以内にナンバー2になれと言われた時は固まったよ(笑)」


代償…麗の顔色が変わった



「僕は…僕はどうすればいいんですか?」


「そうね…あなたはナンバーに入る必要はない…その代わり茉菜ちゃんと一緒にカウンターをお願いするわ。

メニューは任せるから素敵なパフエやカクテルでうちの姫たちを癒してちょうだい」


え…それだけで…それだけで本当にいいのか…




「なに? 不服かしら…」


「い、いえ、とんでもありません! 茉菜と一緒に仕事できるなんて夢のようで…一生懸命、働かせていただきます」


「俺の時とは違うから安心しなよ。真理は約束は守るひとだからね」



「あなたは茉菜ちゃんを亡くしてから再会することだけを夢見て何かに惹きつけられるようにホストを選んだ…自分の姫を手に入れた人に他人をときめかせるキャパはない…


でも彼女と一緒なら癒すことができるわ。うちの姫たちは客層がよいけれどそれぞれ闇を抱えていてね…あなたの妹ちゃんは癒しと母性のパワーが素晴らしいから


あなた達姉妹に期待しているわ」



「今日から真理の屋敷に住むといいよ。塁が世話を焼いてくれる」



「お姉ちゃん…麗…これからはずっと一緒だね」


麗は涙ぐんで茉菜の華奢な指を優しく握りしめた


「うん、うん! もう二度と離れない…未来永劫、一緒だよ」



「お荷物は屋敷のほうに運ばせていただきましたのでご安心くださいませ、他に入用のモノがございましたら何なりとお申し付けください」


気配もさせずに背後に現れた塁にギョッとしながらも茉菜と暮らせる喜びに麗は舞い上がっていた



「ありがとうございます。塁さん」


塁は優しく首を横に振ると…静かに言葉を発した


「礼には及びません。わたくしに敬語はおやめください。麗様…」


えっ、え? どーゆーことだ?


「じきに慣れるわよ…塁、そうせかすものではなくってよ」


「御意…」


真理の言葉に首を垂れると塁は部屋を出て行った


「ねえきみたち、僕らの存在を忘れてない?」


いじけ気味な司と紫苑に麗は我にかえる




「すみません、司様に紫苑様…」


「あっは、冗談だよ…では妹気味との再会を祝して焼肉でも行くか」


「司は焼き肉屋のオーナーなんだよ、こいつの肉は最高だぜ」


焼き肉屋さんも営んでいるのか…


「ん? 僕が焼き肉屋さんやっちゃおかしいかい?」


「いいえ、でも正直…カクテルバーとかがあってそうだなって…あ、失礼なこと言ってごめんなさい」


司は愉快そうに笑った


「ははは、面白いね、きみ。肉は好き?」


「お肉…嬉しいです」


無口な茉菜が口を開いた


「ほう…では最高級の和牛をご馳走しよう…隣の部屋に二人の着替えを用意させてあるから着替えておいで」


「何から何までありがとうございます」



パタン…


麗と茉菜が部屋を出ると真理が静かに呟いた



「相変わらず真面目な子ね…目覚めはいつになるかしら…」


「気長に待つさ…きみの従妹だからね…央…いや、ルージュ…」


「たぶん…茉菜ちゃんは気づき始めているけど…麗はまだだね(笑)俺に似て天然だから」






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