古代日本語の講義
転移すると、たいていの場合転移チートのおかげで、向こうの言語が自然転換されて母国語に聞こえる。また、自分の話す言葉が、異世界言語に変換される。その確率はおよそ90%。このチートに恵まれなかった場合は、自力で、教師もなく、その言語を学習しなくてはならない。
しかし、このクラスの者は、日本の過去に行きたいものたちだから、基本、文法は同じである。とはいえ、動詞の活用は五段活用でなく、四段活用であるし、現代では使わなくなった係り結びや、形容詞の命令形が存在する。名詞も変化したものが多い。うんぬんかんぬん。
は?活用?命令形?なんじゃそりゃ。中学校で聞いたような、聞いてないような。国語の文法の時間なんて、たいがい、ぼーっとしてるか寝てるかで、聞いちゃいなかったし。
「ねえ、もも。これ何のことかわかる?」
「うん。文法は、得意!!あとで教えてあげる。」
た。。。助かった。持つべきものは、親切で頭のいい友達。
その後、休憩時間に、休憩せずに、ももに文法を教えてもらった。
「あのね、動詞って、動作を表す言葉。話す、書く、聞く、勉強する、みたいなやつ。」
「うん。。。。いやなやつ?」
「違うよー。遊ぶ、走る、楽しむ、恋する、なんかもだよ」
「あ、それは好き。」
「好き、嫌いは関係なし!もう、中学、高校でなに習ってたの?」
「あ、私、中卒。」
「え?年下だったの?よく、親が許したね。それじゃ、どの教科も、大変だよ。」
「よろしくお願いします。。。」
「。。。わかった。で、『遊ぶ』って言葉は、次にくる言葉で、形が変わるわけ。例えば、ないをつけると、『遊ばない』になる。」
「えー。やだー。」
「好き、嫌いは、おいといて!!」
「はい、先生。」
「先生じゃない!!で、遊ぶは、遊ばない、遊びます、遊ぶ、遊ぶとき、遊べば、遊ぶ、遊ぼう、遊んだって変わるわけ。これを活用というの。」
「ふーん。」
「今のが、現代日本語の五段活用。これが古代だと、遊ばぬ、遊びて、遊ぶ、遊べばと、四段活用になる。」
「へーえ。」
ああ、先が思いやられる。。。
とりあえず、ももは、五段活用と四段活用の違いだけ説明していますが、これ以上文法やると、いろいろまずいので、文法はこれでおしまいです。