サ○ーちゃんおばさん
こちらは百物語九十三話の作品になります。
山ン本怪談百物語↓
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私の住む「M市」に伝わる都市伝説です。
私は小学生の時からこのM市に住んでいますが、M市の人間は誰もが知っていると言われる有名な都市伝説があります。
その名は…
「サ○ーちゃんおばさん」
昔アニメにもなった魔法使いサ○ーちゃん。
このサ○ーちゃんのお面(昔お祭りの屋台で売っていたようなアレ)を着けた女の子(?)が深夜の街中に現れるという噂です。
サ○ーちゃんおばさんの特徴は他にもあり、ボロボロになったセーラー服を着ていると言われています。
ほかにも両腕の手首に包帯が巻かれており、肌は酷い火傷の跡で悲惨なことになっているそうです。
セーラー服を着ているが女の子ではなく、50代のおばさんや70代近いおじいさんだと言われているとか…
普通に考えると、ただの女装趣味の人か不審者ですよね。
しかし、このサ○ーちゃんおばさんには「怖い噂」がたくさん囁かれているんです。
「目が合うとどこまでも追いかけてくるらしいぞ」
「車に乗っても同じスピードで追い付いて窓を叩いてくる」
「全身火傷がきっかけでおかしくなった人。子どもの皮膚を奪って自分の火傷を治そうとしているらしいぞ」
「鎌を持っていて追いかけられた!」
「実は幽霊で、自分を馬鹿にした人へ憑りつくらしい…」
「○○公園の女子トイレに住んでるとか…」
「実は魂の宿った人体模型」
全盛期のトイレの花子さんレベルで噂話が多い。
そしてサ○ーちゃんおばさんの最大の特徴は、とにかく「目撃報告が多い」ことです。
小学生当時、私のクラスの半分近くがサ○ーちゃんおばさんを目撃しています。
隣のクラスも、その隣のクラスも目撃した人が多かったと聞いています。
状況も様々で、学校の帰り道や街中、裏路地やスーパーのトイレの中まで…
サ○ーちゃんおばさんはどこへでも現れるみたいですね。
そしてこのサ○ーちゃんおばさん、今でもM市に現れるそうですよ。
だって私も見たんだもの。
火事で廃墟になった家の窓から、私に向かって手を振るサ○ーちゃんおばさんの姿を…
私がこの都市伝説を聞いてから今年で約30年。
サ○ーちゃんおばさんは、まだM市に潜んでいるのです。