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初恋  作者: 藍沢 咲良
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色なき風 9




「確かに美和には彼氏作って幸せになって欲しいんだけど。」



「けど?」


「…何か違う。同じ高校で同じクラスとはいえ、連絡先は知らないで欠席…てかサボりがち…」


何も言えない。


「一ノ瀬くん、何考えてるか正直わからないな。それで美和は良いの?」


「良くは…ない…」


じゃあどうすれば?


学校で会ってもなんとなくお互い目を逸らしてしまう。


あのキス以来、前の様に気軽に話せなくなってしまっていた。


考えてもしょうがないから勉強に集中していた。

受験生的には問題無いけど、大事なこととは向き合えていないことには変わりなかった。


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