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始まり 5
「…で?今年のクラスはどうなのよ?」
「んー…ぼちぼちかなあ…」
予備校から歩いてすぐのラーメン屋。
醤油豚骨のスープが美味しい。
「何その気の無い返事。美和の高校、男子の顔面偏差値高めでしょ?」
「高いっちゃ高いけど。高い人はチャラついてる率高いし。取り巻きの女の子派手だし。関わりのない一年になると思う。」
「勿体無いなぁ。じゃあ中間層はどうなのよ?」
「中間な人、いるっちゃいるけど。ただ興味が持てないというか…」
香織が大きなため息をつく。
「美和に彼氏を紹介してもらうのはいつになるやら…」
香織は美人だ。
気さくだし、性格も良い。
男の子との付き合いも上手いみたいで、今の彼氏とは1年記念を先週したらしい。
リア充とは、香織のことだ。