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初恋  作者: 藍沢 咲良
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蝉鳴く頃




香織とは毎日LINEしていた。


美和が勉強を始めるタイミングでLINEすると、大抵香織も勉強中だという話になる。



それでも、彼氏と一緒に勉強したり、気晴らしに出掛けることもあるようだ。



「いいなぁ…。」


美和はカフェのカウンターデスクに突っ伏して、香織とのスマホのLINE画面を眺めていた。



 

目の前に手のひらが動いている。


「!!!」


飛び起きると、隣の席に一ノ瀬が笑いを堪えて座っていた。



「やっと気付いた」



まだ目を丸くしている美和は、とっさに言葉が出てこない。


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