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初恋  作者: 藍沢 咲良
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日常 6

羽田からのLINEは来なくなった。


「私、彼氏できた」


「へっ?誰?」


「佐藤くん」


佐藤くん。私と同じ弓道部。

顔は綺麗だけど、ガチガチの真面目くんで、美和はそういう対象に考えたことがない。


「向こうから?」


「うん。告られた。」


「よかったじゃん。これで無事に2人とも羽田からは逃げ切ったわけね。」


「え?美和は?」


「ん?何がよ?」


「彼氏とか」


「ゔ…」


一瞬、一ノ瀬の顔がよぎる。


いやいや、いい人だけど。顔も可愛いけど。

好きな顔ではあるけど。

でも、あの派手さは自分とは恐らく関わりが無い気がする。


そもそも、一ノ瀬くんは私に興味はきっと無い。


「特に…無いなあ」 


「誰かいないの?」


「うーん、無いと思う」


「彼氏出来たら教えてよ?」


「それは勿論」

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