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「う゛ぉえーーー。おえぇーー。」
美少女が嗚咽している。さっきまであんなに威勢がよかったのにな。
「なんてもの食わせるのよ。死ぬかと思ったわよ。」
「さっきのワームの肉だ。まず外の世界には人が普通に食える物はほぼない。ワーム肉には消化器系を破壊する作用があるからそれに最適化するとだいたいの物が食べれるようになる。」
「じゃあ、先に言いなさいよ!!心の準備とかあるじゃない。」
「さっきは余裕そうだったから大丈夫かなと。とりあえずまだ足りないからもう少し食べろ。早く前に進みたいから。」
まあ別に用事とかはないけどこいつにつきあってる時間ももったいないしな。
「うっすら感じてたけどこいつやばいやつかも。」
めんどくさいから開いた口にワームの肉を投げ込む。
「これで最後だからさっさと食え。死ぬほど苦しいが別に死にはしない。自分の遺伝子を信じろ。」
「ぐわあぁーーー。死ぬ!死ぬ!」
エミリアはもだえるがそんなに苦しい方ではない。生身で外で生きていくならこれくらいは最低ラインなんだ。
とりあえずこの食事を終えたら、森の方向に進む。文明のあった方へ。
文明のあった場所にはより強い魔獣がくらし、より人が住める環境ではなくなる。
目の前の少女の目的地もそのあたりになるだろう。
そのためにはまず食事である程度適正を得る必要がある。生身の人間にとって食事は何よりも大切だ。
「いくぞ、エミリア。」
さっきまで死にかけてたわりにはもうピンピンしている。根性だけはありそうだ。
「この恨みは忘れないからね。いつか目に物みせてやる。」
どうもこの少女とはわかり合えないようだ。難しい年頃なんだなと考えながら森に入っていくのであった。
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