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というわけで今俺は逃走中だ。
見つかることもなさそうだけど。
「さて、どこに行くかな。」
未開拓地域を探索でもするかな。追っ手も振り払いたいし。
崩壊後に探索できていない地域はまだある。
外界に出れるものもかなり限られている。
ひたすら歩いていく。
時々魔獣に襲われるけども今日の晩御飯のおかずにしてやる。
誰かと旅をするのもいいが、1人ならどこへでも行けるのでそれもいい。
見える景色がどんどん変わっていく。
暑かったり寒かったり砂漠だったり森だったり川だったり、世界は変わったのだなと認識させられる。
世界が崩壊した時は食べられる物を探していたが、今は食べられない物を食べられるようにした。
好き嫌いを無くすとかでは無い。何度か死にかけた。
この崩壊した世界で一般人が暮らすにはなかなかの苦労がある。とはいえ楽しみもある。
「今日はカレーにするか。」
食材が多様なのだ。というわけで何かの肉と何かの植物を鍋に入れ込んでいく。
先に具材を炒めていく。いい感じに焼き色がついたら水を入れて煮込んでいく。
スパイスは辛いし痺れる何かと、癖のある匂いの何かとあと10種類くらい適当にいれる。
何かの乳でできたバターと何かの果実の縛り汁を入れて完成だ。何故か最終的に青色になったが、カレーなんだと言い聞かせる。
それを米にかけていく。穀物は未だにちゃんと生産出来ているのはありがたい。
「いただきます。」
カレーを口に運ぶ。複雑だがまとまりのある味になっている。何かの肉が口の中でとろける。
やっぱりカレーはうめえな。
世界は変わってもカレーの美味さだけは変わらない。