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ハメられた。そういえば、ずっと偉い人からの連絡無視し続けていたな。
さっきもらったデバイスを確認すると連絡がカンストしている。1000件以上連絡がくると
カンストするのだ。
というかエミリアの出会いからずっとやられてた可能性があるな。
ネストからの派遣はAIが適性をみて行われるので新人を単独行動させるような派遣を
行うことはないはずだ。
世界を救うために人工知能を作成したところからネストは始まったのだ。
そんなことはともかく。
「はあ、ここはどこなんだ。」
デバイスのマップ機能に出てこない。
崩壊後にまだ探索されていないエリアか。ここに世界の危機があるのだろう。
「かなり、のどかな空間なのにな。」
楽園とでもいうべきか。穏やかに流れる川があり、花が綺麗に並んでいる。
まるで誰かに整えられているかのような。
「とりあえず前に進もう。ナイフ話し相手になれ。」
「マスター、完全に私の事さっきまで忘れてましたよね。」
「別に忘れてはいない。お前から話に入ってこないからだろ。というかお前を説明するのは結構面倒だろ。その辺りは自覚しろよ。」
「自我生まれたてなので流石にそんな割って入るコミュ力はありませんよ。というか何なんですか。あの人?ロボット?」
「俺もわからん。ただ分かるのは意味がわからんくらい頭が良いことだ。ネストのAIを作ったのはほとんどあいつだ。俺はその手伝いを今回のようにさせられた。」
「マスターが手伝いをさせられたのは、あなたが単純だからでは。」
「色々複合的な事案がある時は一つ一つ試していくのが手っ取り早いんだよ。だから騙されるのも経験値なんだ。というか今回はデバイスが欲しかったしな。多分こうなるだろうとは思ってたさ。」
「ならエミリアさんに渡した剣は返してもらったらよかったんでは?私は流石にビーム出せませんよ。」
「お前も早く実体化できるようにならないとキャラが弱くて出番なくなるぞ。」
「全力で善処します!!」
ナイフの今後を案じながらひたすら前に進むのだった。