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思い付きで更新する、どこかにいそうな誰かの物語。  作者: どこかにいそうな誰かの代わり
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【0001】カズキ 0001

 カズキはバツイチのトモミと付き合って三年になる。

 その間にカズキは二回浮気をした。

 一人目はカズキの職場の同僚と。二人目はトモミと共通の友人と。

 そのたびにトモミは氷のような視線を向けて、「じゃあもう来なくていいよ」とカズキを追い出す。

 トモミにそう言われるとようやくカズキは浮気相手と別れ、トモミの機嫌を直そうとするのだった。


 トモミはカズキの浮気に気付いてもすぐに指摘はしない。

 確たる証拠を集めてから、カズキが言い逃れできないタイミングで切り出すのだ。

 今時、証拠などどこにでも転がっている。

 スマートフォンなどその最たるものだが、カズキも間抜けなことに、SNSやメッセージを隠そうともしないものだから――本人としては、見られている自覚がないらしい――不穏な画像やメッセージはトモミ以外の人間の目にも止まっているはずだ。


「他の好きな人ができたら、そう言ってね?」と、ことあるごとにカズキには伝えている。

 まだ独身のカズキには、バツイチでしかも小学生の連れ子がいる女などというのは重荷になるかも知れない、という気持ちが常にあったからだ。

 しかしカズキは浮気の事実を認めようとせず、時には逆ギレしてみせる。

 浮気がばれていないとどうして思えるのか、トモミにはカズキの思考回路がどうなっているのか謎だった。


 おまけに、浮気中にその相手とトモミを仲良くさせようと画策するものだから、トモミは毎回、浮気相手に嫌がらせをされる始末である。



「俺が愛してるのはトモミだけだから」

 カズキは今日もそうやってトモミに愛を告げる。しかし最近はまた、どこかの誰かへ向けて気持ちが浮ついているらしい。

 トモミは早々に『予兆』に気付いており、そして原因にも見当をつけていた。


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