VSコボルト2
草むらの奥にある岩場のさらに奥にポッカリと空いた洞窟。
入り口は大きく開いているが暗視を使っても奥が見えない。
それでもコボルトの纏う魔力だけを頼りに進む。
まずは門番のように入り口を見張る二匹のコボルト。
ゴブリンのようにうろうろと徘徊するのではなく、しっかりと敵を警戒しているようだ。
がまだかなり甘い。
俺はすっかり手慣れた気配遮断をしつつ、ゆっくりと草の後ろへと回り込む。
二匹を同時に倒すためにひとつナイフを取りだし飛び出す。
コボルトは一瞬目を丸くしてこちらを見ていたがそのときにはナイフを投擲していた。
片方には魔力を纏ったナイフが、もう片方も剣で斜めに切り下ろした。
どさっと同時に倒れた。
コボルトに投擲が通じてよかったー。
内心ホッとしながらも、今の音で他のコボルトが起きなかったか暫く観察したが、特に起きる気配は無さそうだ。
思ったよりもコボルトは察知能力が低いのかもしれないな。
よし。
気合いを入れ直してさらに中へと入っていく。
中は横に広がっていく蟻の巣のようになっていて、ひとつずつ部屋を潰してまわった。
半分以上潰し、少し大きめの部屋で作業のように同じ繰り返しをしようと部屋のコボルトを斬った時、遂に一匹のコボルトが目を覚ました。