ゴブリンソルジャー
俺がゴブリン狩りを始めて数時間がたち、辺りはすっかり暗くなっていた。
最初はチラチラとみえていた他の冒険者パーティーも今は一組も見当たらない。
普通ならばここで慌てて帰るのだろうが、俺はこれを待っていた。
夜暗くなると夜行性の魔物以外のゴブリンなどは基本的に就寝している。
夜の森は危険ではあるが、その代わりに得られるものも大きい。
俺にとっては夜の森は宝の山なのだ。
「見つけた。」
一・二・三・・・・七のゴブリンが無防備に横向きになって寝ていた。
さらにその横には普通のゴブリンよりも体が少し大きいゴブリンソルジャーがいる。
ゴブリンだけなら今日すでに数えきれないほど倒してきたがゴブリンソルジャーはまだ戦ったことはない。
細心の注意を払いつつまずは一番手前のゴブリンの急所を暗殺者の目で確認して一突き。
ゴブリンは音もなく絶命した。
同じことを六回繰り返し、残るはゴブリンソルジャーただ一匹。
もうすでに真っ暗だが、暗殺者のおかげで暗闇でも目がきいており、よく見える。
大丈夫。
そう何度も自分に言い聞かせた。
相手はゴブリンソルジャー。
確実に仕留めたい。
そのためには・・・・一度その場をはなれ、木に上る。
そして、ゴブリンソルジャーの心臓に向かって跳び降りる。
ただただ必死だった。
少しずれたものの、見事に命中しゴブリンソルジャーは絶命した。
この日、初のゴブリン狩りであったが朝まで狩り続けた。