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風花の世紀  作者: 愛媛のふーさん
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新たなる発現4

 更に何か言葉をかけようとして蓮は、何も言えない事に気付いた。殺した自覚の無い殺人。しかも三人、女子高生には重すぎた。加えても兄の死。蓮は真美が泣き出さない事が不思議に思えた。

「死体は隠したんですか?兄貴も?」

真美は乾いた声で訊いてきた。感情を置いてきぼりにしたかの様に。

「ああ。墓はこのビルの中にある。参るなら案内するよ。あの三人も葬っている」

「お願いします」

二人のやり取りを半ばパニックで聞いていたあずみも冗談や夢の話しではなく現実だと認識した。そして血まみれになった感触を思い出す。

「血は付いて無いけどどうしたの?」

「ここの女性スタッフが処理してくれたよ」

「緋村君のバイト先って何なの?お墓が有ったり血まみれの処理や。死体隠したのもここの人達?」

混乱の雲を通り抜けて浮かんでくる疑問を、あずみは訊いてきた。

「そう。異能者のいっさい取り仕切ってる。ナイツは総合商社は表の顔で、真の顔は異能者の秘密結社だ」

「じゃメールボーイのバイトなんかじゃなく異能者として何かしてるの?」

「警護部のエージェントとして闘ってる」

「そう。アフリカ行ったのもエージェントとして?」

「うん。マリアって幼児の王女の護衛」

「危険じゃ無いの?いくら村山君殺した償いしたいからってそんな仕事しなくても・・」

あずみは蓮が言わなかった想いを汲み取っている。勘の鋭い娘だなと改めて思った。真美が意を決した様に

「あたしも償うべきですよね。事件として表沙汰に為らないからって何かしなくちゃ」

キッパリ言った。

「その話しは後で。村山君のお墓参り行こう」

蓮はそう言って二人を13階に案内した。足を止めると生花の花束の自販機で百合と菊を4つ買う。自動ドアが開くと石造りのアーチがあり、芝生に石の墓碑が並ぶ西洋式の墓地だった。蓮は迷い無くその一つの墓碑の前に立つ。〈村山伸一。享年17才〉そう簡潔に彫られている。

「兄貴バカだね。緋村先輩に暴力ふるったばっかりに・・」

真美が初めて涙ぐんだ。蓮とあずみは黙って花束をたむけた。三人揃って手を合わせる。それから真新しい三つの墓碑に参り墓所を跡にした。

 13階から再びエレベーターに乗り込み最上階に向かう。真美をルシファーにひき会わせる為だ。恋華が待っていた。穏やかな笑みを浮かべ

「ナイツのオーナーがお待ちかねです」

蓮の時同様説明せず告げる。マホガニー材の重厚なドアを蓮が開け二人を部屋に通す。

「炎聖、あ、緋村くんのコードネームです。炎聖から大まかな説明は受けましたね。異能の力はきちんと訓練してコントロールできないと危険なのです。村山真美さん、貴女には訓練を受けて貰いたい。三島あずみさん、貴女は秘密を洩らさないでいただきたい。ナイツのオーナーである私、ルシファーの望みは其れだけです」

「エージェントに為らなくて良いんですか?」

真美が訊く。

「貴女のお心のままに」

ルシファーは蓮の時とは異なりナイツに加入を強制するつもりは無い様だ。しかし、真美は

「なります!そのつもりの訓練お願いします」

決心していた。

「判りました。炎聖、平さんにお任せして良いですね?」

ルシファーが穏やかに言った。

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