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風花の世紀  作者: 愛媛のふーさん
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邂逅4

 蓮は空かさず答えた。

「先ず経理。調査は報告書上げる必要あるから」

「そっか。必要経費か?なんや?」

「タクシー代。地下鉄止めちゃったから」

経理部でタクシー代を精算して、調査部のドアをくぐった。調査部長に経緯を報告してペンダントの検索をかける。三次元スキャナーで表裏読み取りエンターキーをクリックした。

「〈光の家〉カルト教団やな。聖戦って言うとったんやろ。ビンゴ」

「報告書作成して上の判断仰ごう」

部長がそう指示する。蓮は簡潔に答える。

「了解しました」

 30分で報告書を上げ、蓮と千堂のペアに一時間後、出動命令が下された。〈トカゲ〉市川遼と狼犬〈疾風〉のペアにサポートの指示も出る。最近の活動で両ペアの相性が良いのが証明されている。蓮と千堂は車の運転が出来ない。運転手としても遼が必要だ。

「どっから取っ掛かるんや?」

千堂の問に遼が

「光の家の東京本部を張りますか。出入りする人間写真撮って検索かけましょう」

元刑事らしく地道な提案する。蓮も千堂も納得した。遼は二人に向かい

「長期戦になります。学校には行ってください。放課後、仮眠とる間、交代してくれるとありがたい。監視所押さえます。幸い本部のビルの向かいは賃貸マンションです」

そう一気に告げる。今日中にマンション手配するのでメールで詳細伝える。合鍵を明日ナイツ本部で受け取り放課後合流する。また監視要員は調査部から適宜出してくれる。そこまで手筈を整え解散と為った。


 昼休みナイツからメールが届く。誰にも見られない様に目を通す。

『402号室、機材搬入済み。要員2名と調査開始』

簡潔なメールだった。気合い入れていると、あずみが恥ずかしそうに語りかけてきた。

「緋村君、昨日のファミレスで・・・。本気?」

「まるっきり冗談って訳じゃない。少し真美ちゃんの気持ちを諦めさせたかった部分は有るけど。迷惑?」

「嬉しかった。でもバイトが一番なんでしょ?」

「うん。ごめん。でも学校で逢えるじゃん。それにメールも」

「私も部活動有るし、そうだね休み時間話せばいっか。ラインは遣んないの?」

「良いけど。また明日ね。放課後速攻でバイト先だから」

「うん。明日」

蓮は冗談と紛らわさなかった自分が、不思議だった。しかし、イジメられてる頃から現在迄、軋んでいる心の中に温かいモノを与えて来たのは、三島あずみなのだと意識する事が出来た。大切な人そう感じ始める。だが、すぐにチャンネルを切り替えた。仕事が待っている。

 合鍵を貰い千堂とは別々にマンションに入る。部屋は3LDKの家族向けだった。リビングと本部に面した部屋の2部屋から監視を行っている。大きなレンズのデジカメ、監視用ビデオカメラ、指向性集音マイク、ハードディスクレコーダー、パソコン、モニター、機材で溢れている。監視要員は興信所や探偵事務所から引き抜かれた表の顔のナイツのエージェントで遼の様に戦闘はしない。裏の顔の仕事もするがあくまでも調査のみである。

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