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風花の世紀  作者: 愛媛のふーさん
25/25

風花〈かざはな〉5

 更衣室に行く前に蓮は真美に

「研究室寄って良いかな?愛刀〈十六夜〉研ぎに出しておきたいんだ」

「良いですよ。わたしの水鉄砲も調整したいんで」

20階につくと蓮は研究員に十六夜を渡して替わりに横5センチ縦10センチのプレート渡された。エージェント以外はこれが安全装置なのだろう。水鉄砲の調整は10分で終わった。

 更衣室でシャワーを浴びてストレッチ済ませてでてくると9時だった。三島あずみはスタバで待っていた。

「悪い待たせて」

「すいません。あずみさん」

真美のあずみへの呼び方は、数日で三島先輩からあずみさんに近しく為っていた。

「良いの。大して待ってないから」

真美がお腹が空いたと言う。コンビニでヴィターインゼリーを買って誤魔化す。真美はアリナミン迄飲んでいた。疲労な時はこれだといって。真美が聞こえないふりしてくれてるので

「8時前に駅前」

の約束を蓮とあずみは取り付けた。そらからは訓練の話をした。

「酷いんだよ。手加減一切なし。大技まで繰り出すんですよ」

真美の弾劾が繰り出される。

「それって真美ちゃんが凄いんだよ。蓮君半年、真美ちゃん数日このキャリアの差でガチンコなんて」

「そうなんですね。自信持とうかな」

「自信持って良し。過信は駄目だけどな」

ここまではナイツ本部の社食での話しである。機密保持のためここが良く使われる。部外者も利用可能たが社員証のゲストは恒にマークされる。従って独特のスマホのバイブレーションで周りのナイツメンバーは注意喚起される。


三人とも地下鉄では爆睡していた。疲れている。しかし蓮はアナウンスで起きる。次の駅で乗り換えだった。乗り換えて私鉄に移る10分して降りる駅でお別れだ。

「明日ね」

「明日」

「わたしはむなしく訓練」


 土曜蓮はものすごく早く起きた。服装を1時間30分も選んだ。結局黒のタートルネックのロンT、下着は極暖ヒートテックにボクサーパンツ、タイツは履かず直に紺のデニムジーンズ。アウターは唯一ナイツの戦闘に着ていかず、直しに出して無いダウン選ぶしかなかった。30分は早く着いた。しかしあずみは既にいた。

「ごめんね。待った?」

「ううん。今来たとこ」

「行こうか?新宿だし」

お目当ての映画は新宿ティアトルで『この世界の方隅で』である。あずみのリクエストだ。単館上映からじわじわ増やして賞も取った名作です。無事到着して映画を堪能してパンフレット買ってでた。ロッテリアでエビバーガー、シェイクとサラダで映画の話しを、2時間はしていた。3時をまわり街中をブラ衝こうと店をでる。みんな寒い時期だけあってコートやダウンで、厚着していた。そういう蓮もあずみも薄いモスグリーンとベージュのダウンだった。  

 人混みに紛れ歩いると空から白いものが舞いながら降りてくる。

「雪?」

「違う風花かざはなだよ。日本海側で雪雲が発達して雪が降って関東地方との境の、山で積もったのが風に舞い上がり翔んで来たものだよ。空は晴れてるでしょう。」

「本当だ。不思議」

「冬の季節の季語でもあるんだよ」

ロマンチックな光景のなかふたりはゆるされる限り佇んでいた。

「あずみ」「蓮」

どちらともなく呼びあった。二人にとって将来お互いの名前呼び捨てした記念日に成るかもしれない。風花が、舞う神秘的な冬の日。

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