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風花の世紀  作者: 愛媛のふーさん
23/25

風花〈かざはな〉3

 更に蓮が平馬に質問しようとした時、全員のスマホが鳴った。

『光の家教団に強制捜査。テロ未遂容疑』

ニュース速報がそう伝えている。平馬が

「全員TV見ろ。決着だ。訓練一時中断」


 後に監視していた遼が語るには

「呆気なかったですね。光の家の東京本部の前にパトカーがサイレン鳴らさず殺到し、機動隊が突入。発砲音もせず信者達は拘束されました。教祖も主教もあっさり逮捕。教団のカリスマはあのネクロマンサーが担っていた様で、教祖も主教も俗物に過ぎなかった様です。その為、ネクロマンサーが邪魔者〈蓮達の事〉との対決から2日帰らない時点で教団は崩壊していた。という訳です」

遼の直接的に見てなかった所でも事態はうごいていた。


 与党本部の幹事長室に来栖代議士が駆け込んで来る。ノックの返事を聞かず荒々しくドアを開く。

「進藤幹事長大変です。光の家の東京本部に警視庁の手入れが入りました」

「来栖君、それがどうした。私に何の関係が有るのかね?」

来栖は青ざめた。トカゲの尻尾切りにされる。

「進藤幹事長が指示為さったんじゃないですか!適当なカルト教団にテロを実行させて自衛隊を治安出動の先例を創ると」

進藤は微塵も表情を変えない。

「そんな証拠が何処にある。光の家に出入りしていたのは君で有って儂じゃない。儂からその教団にテロを実行云々の指示が出とった音声でも有るのかね?」

「俺を道化に使ったのか?」

来栖は進藤の襟元を締め上げる。十五歳も若い来栖に進藤は太刀打ち出来ない。幹事長室の前に大勢の靴音が響く。

「東京地検特捜部です。お二人をテロ未遂の容疑で逮捕させて頂きます。」

来栖代議士を検事に引き剥がして貰った幹事長は、肩で息をしながら余裕が有り気に訊く。

「一体何の証拠が有って?」

「我々が料亭『菊水』で貴方から来栖代議士に渡った8千万について何も掴んで無いとでも?」

普通止め刺された所だが

「ふはぁふはぁはぁ!確かに儂の負けらしいな?表面的には。これでテロ準備罪と共謀罪は進む。次の国会で成立は確定以上だ。儂の理想は実現して行く。儂こそ英雄じゃ」

それに対して何の感慨もなく司法官僚はバッサリ切って棄てた。

「そういう演説は刑務所の檻の中でおやりなさい」


 これらの大まかな概要は連日TVやマスコミのニュースで大々的に取り上げられる事となったが、教団の強制捜査が入って幹部が逮捕されたのを確認して引き上げた遼達を、珍しく大河原調査部長が慰労の席を設けて労った。その席で〈勿論調査部らしく盗聴盗撮会話の漏洩のクリーニング済〉自慢気に話した処によると菊水の8千万の証拠はナイツの調査部が事前に網を広く掛けて何かの役に経たせるべく、捕っておいたネタだったらしい。ナイツは特捜部との何らかの取引で利益を得、大河原はオーナーから金一封貰った。

「あのケチな部長が慰労の席なんておかしいと思った」

とは後に遼が蓮と千堂に語った物である。

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