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風花の世紀  作者: 愛媛のふーさん
18/25

対決3

 冥界の門番であるケルベロスとにかくデカイ。しかも俊敏ときては、蓮も千堂も遼や疾風も逃げて避ける事に専念するしかない。各々の頭は属性攻撃をやたらめったら放つ。つけ込む隙が見当たらなかった。しかし、向かって一番左端の1の頭〈炎〉を蓮。真ん中2の頭〈吹雪〉を遼と疾風。右端の3の頭〈雷撃〉を千堂が引き受ける形が出来上がった。周りの味方への属性攻撃を肩代わりして受ける特技〈カバーリング〉で、炎と雷撃は各々蓮と千堂が一身に受けて無視することが可能に為ったのである。吹雪を遼と疾風が注意深く捌く。電気で身体が活性化する千堂は、雷を纏わせた拳でケルベロスをどつき倒す。大したダメージを与えられず悔しいそうに呟く。

「未だ足りへん。もう少しもう少し」

 ここで福音があった。吹雪の2の頭の両目を、遼のショックガンが撃ち抜いたのだ。攻撃を避けながらだから、大した射撃センスである。出鱈目に吹雪を撒き散らすのは厄介だか、脅威ではない。蓮も攻勢に出た。

「風孔閃乱舞」

蓮得意の鞘も抜刀する居合いの二段抜刀術だ。初の太刀が1の頭の頬を切り裂き二の太刀が傷を広げた。傷口から炎が漏れる。肉が焦げる匂いがした。流石のケルベロスも痛みで炎を放つのを止めた。雷撃だけが的確に千堂を捉える。しかし、雷は千堂を強化するだけだ。属性攻撃の厄介さが激減すると今度は、ケルベロスは体力勝負に出てくる。右前足で蓮を切り裂かんと襲ってきた。蓮は辛うじてかわす。振り落とされた右前足は、岩に当たりその岩を粉々に砕く。当たればただではすまない。遼はショックガンのカートリッジの弾倉を交換して、立て続けに叩き込む。象並の巨体には決定的なダメージは与えられず、疾風の特技〈狼牙天翔〉も相手が大き過ぎて不可能だった。地道に削っていくしかない。

「豪龍波」

蓮は炎の特技〈爆龍波〉の上位特技〈豪龍波〉を放つ。そして愛刀〈十六夜〉で斬りつけると傷口に豪龍波。特技と斬撃の波状攻撃で削っていく。

 遼は弾倉を予備も撃ち尽くして戦線を離脱し、離れた岩陰で弾倉にカートリッジを込めていた。疾風は戦線に残りケルベロスを牽制している。千堂は雷撃を受け続け何かを待ってる様だった。蓮は波状攻撃を続けケルベロスの傷口は十数ヵ所に及んだ。

「来たで。来たでぇ!」

千堂が突然叫んだ。その声に蓮と遼が千堂を見た。千堂は雷撃を浴び続け電気が臨界に達した様だ。体から放電が始まり髪は逆立ち、雷光で黄金色に輝いている。

「これや。これを待っとったんや」

何だろうと興味津々の蓮と、やっと来たかという呈の遼。二人の対称的な瞳の前で千堂は嬉々としている。

「やっと成れたで。カイザーモード」





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