表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
風花の世紀  作者: 愛媛のふーさん
13/25

異変3

 蓮は平馬と大河原部長に念入りにあずみと真美の事を頼むと、光の家の監視所へ急いだ。マンションの部屋に飛び込むと、千堂達が笑顔で出迎えた。

「未だ動いて無いで。10人程集まっとる。これから何かありそうやな」

遼も笑顔を消して真剣な顔になり

「必ず動きます。現場指揮官はお二方が相手したネクロマンサーでしょうね。蓮君と千堂君が阻止に来るのは予想しているから、なにかしらの手は打ってくる」

そう述べてショックガンの弾倉のカートリッジを籠め始めた。弾倉は13発、5つの弾倉全てに籠めた。蓮は愛刀十六夜を竹刀袋に移す。

「マイクロバスが回されました」

監視用員二名が報告する。黒ずくめの一団が乗り込む。運転士を含めて12名。

「遼さん車出してえな」

千堂が頼む。遼はパンダのキーを掴むと疾風のリードを引いた。蓮も弾かれた様に立ち上がる。三人と一匹はマンション裏手の、駐車場迄一気に走った。FIATパンダに乗り、マイクロバスを追いかける。幹線道路に出る前に、2台挟んで後ろに着けた。マイクロバスは環状線に乗り、インターを降りて千葉に向かう様だ。千葉県に入り一時間位走り、5階建ての廃ビルに着けた。建設途中で遺棄されたラブホテルの様だ。全員ビルに入った。遼が言う。

「秘密アジトかな?」

「虎穴に入らずんば虎児を得ずやな。突入やな。罠なら食い破るだけやで」

「乱暴だな。でもそれしか有りませんよ」

蓮は千堂に同意する。遼も渋々認めた。一旦方針が決まると迅速に動く。蓮と千堂が疾風を連れてフォワード、遼が後衛。各階を探索するが誰も居ない。屋上のドアを開けたら銃弾が雨霰と襲ってきた。ドアは蜂の巣にされ吹き飛んだ。咄嗟に壁に身を隠す。千堂が冷静に指摘する。

「散弾銃とリボルバーの拳銃や。弾籠に隙が出来る。そん時や」

蓮はわざと入口を反対側に跳ぶ。撃ってくる。素人テロリストの悲しさ、有りったけ撃つ。当然弾切れになる。蓮と疾風は猛然と飛びだし、千堂は特技嵐撃舞で雷撃を放ち、遼は冷静にショックガンを一発一発叩き込む。

 蓮の峰打ち、千堂の雷撃、遼の射撃によってネクロマンサーを除く全員が気絶している。彼は小声で何か唱えていた。はっきり聞き取れる一節を叫ぶ

「我と冥府との契約に基づきその忌々しき怨念を解き放たん!出でよ!!」

と、ゴーストが2ダース現れた。実体の無い悪霊である。

「蓮。いっちょ頼むで」

「レクイエム」

蓮は十六夜を一閃した。しかし、ゴーストは消えない。

「レクイエムが効かんやて!?どしてや。蓮!!」

「解った。こいつらリッチゴーストだ。レクイエム直接叩き込まないと倒せない。時間かかるから、みんなしのいでて」

リッチゴーストは呪術師や魔道士がゴースト化したもので聖なる力に耐性がある。蓮は身近に居た一体に十六夜に聖なる力籠めて切りつけた。実体の無い悪霊の体を捉えた。

「レクイエム」

リッチゴーストは霧散した。次。蓮は躍りかかる。しかし、千堂も遼も疾風も実体の無い悪霊相手では手の出し様がなく、逃げ惑っていた。遼がゴーストに巻きつかれる。顔が酸欠で紫色に。蓮がレクイエムで救出。そんな繰り返しの最中に異変は起こった。

 突然足元が崩れたのである。テロリスト達はビルに解体用の爆薬を仕込んでいたのだ。蓮達は11人の気絶したテロリスト諸とも奈落に墜ちていった。遼は心のなかで新妻に侘びた。

「由依ごめん」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ