表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/6

陸の筋肉

スキル説明回かな?あと、遅れて申し訳ない。




 あれは、Mr.マリアに帰り道を教えてもらった後のことだ。大通りへの道中、ふと、自分の取得したスキルの確認でもしようとメニューを開いたとき、それは起きた。この鬼塚剛天ともあろう者が、あまりの衝撃に茫然自失となり、近くの者に声を掛けられるまでその場に立ち尽くしていたほどだ。





【メニュー】


 ▽クエスト

 ▽マップ

 ▽ステータス(New)

 ▽スキル

 ▽アイテム

 ▽フレンド

 ▽ログアウト



 何やら“ステータス”に変な印が付いているが、着目すべきはそこではない。その列の上に表示されている“マップ”の文字だ。まさか、と思い開いてみると、なんとこの街の地図らしきものが表示されたではないか!

 私の若干靄がかかったような地図で、細部までの把握は難しい。ただ、ゲームを楽しむ上で必要になってくる重要地点――大通りや噴水広場といった箇所の周辺は鮮明に確認できるため、決して困ることはないだろう。加えて、私が通った場所の靄も晴れており、万が一にも(・・・・・)迷子になるようなことはないだろう。だが悲しいかな、その万に一人の男が鬼塚剛天()であった。

 何故、所持金を確認する際に気づかなかったのだろうか。いや、それ以前に、メニュー画面を開く機会はあったはず。私は、自分自身が不思議でならない。


 かくして話は冒頭に戻る。





「あんさん、こんなとこで突っ立って何しとんの?ちゃんと前見たほうがええで」



『前を見る』……か。通りすがりの彼に声をかけられたとき、私はある言葉を思い出していた。『過ぎてしまったことはどうにもならない。大切なのは前を向くこと。失敗をどう受け止め、次に何をするかなのさ』。今は亡き、私の敬愛する祖父が常々口にしていたものである。

 いやはや、私としたことが情けない。こんな初歩の心得すら忘れてしまうとは。この失敗、なんとしても次に活かしてくれようぞ。

 漸く心を取り戻した私は、声をかけてくれた住人と感謝の抱擁を交わす。君のおかげで私は大切なことを思い出すことができた、ありがとう、と。彼はしきりに身体を震わせて謙遜の言葉を口にしていたが、最後には力を抜いて私の感謝を受け取ってくれたよ。


 さて、急ぎの用事があるらしい彼が素晴らしい走りで道を駆けていった後、私は早急に行動を開始した。今回のような失敗を無くすため、メニュー画面の確認を行うのだ。“メニュー”オープン。




【メニュー】


 ▽クエスト

 ▽マップ

 ▽ステータス(New)

 ▽スキル

 ▽アイテム

 ▽フレンド

 ▽ログアウト




 先ほど確認した“マップ”と、“ログアウト”に関しては大丈夫だね。まずは、新着表示がされている“ステータス”の確認だ。




【ステータス】


 名前:鬼塚剛天

 性別:男

 血統:霊〈鬼〉

 所持金:0G

 称号:▽【初めての無一文】(New)




 どうやら、“称号”が追加されているようだ。ちなみに“称号”とは、私たちプレイヤーが特定の行動をすると獲得できる名誉のようなもので、中には“恩恵”が付与されるものもあるらしい。無論、その逆も――む?何故知っているのかって?はっはっは、リュウジ君のテキストに書いてあったのだよ。

 話が逸れてしまったね。ええと、今回私が入手したのは【初めての無一文】か……意味は文字通りだと思うが、効能は分からない。詳細を確認しようか。




【初めての無一文】

 ・プレイヤーの中で、最初に無一文となった者に与えられるもの。金銭感覚は大切に。

 効果:スキル【節約】を獲得。




 おお、どうやら“恩恵”付きの称号だったようだね。素晴らしいタンクトップに加えてスキルまで手に入るとは、なんとも幸運なことだ。それで……【節約】ね。このままでは詳細を見られないため、一旦“メニュー”を開き直して“スキル”の画面を開く。




【スキル】

 ▽アクティブスキル:★★★★★★★☆☆☆

 E▽両手剣術Lv.2

 E▽体術Lv.1

 E▽肉体美Lv.1

 E▽鋼の肉体Lv.1

 E▽発光Lv.1

 E▽解体Lv.2

 E▽鉄頭Lv.1

 ▽パッシヴスキル:★★★★☆

 E▽筋力強化Lv.1

 E▽敏捷強化Lv.1

 E▽耐久強化Lv.1

 E▽節約Lv.1(New)

 ▽血統スキル:★

 E▽鬼之魂Lv.ー




 アクティブスキルというのは、任意発動型のスキルのことだね。スキルレベルが上昇することで、“武技(アーツ)を覚えたり、その性能が上がったりする。見たところ、最大10個まで装備ができるようだ。対してパッシヴスキルとは、常時発動型のスキルのこと。“武技”はなく、スキルレベルの上昇においては性能のみが強化されるのだとか。

 そして血統スキル。これは、血統ごとに異なる特殊なスキルのことを指す。また、スキルレベルは存在しないが総じて強力であり、中には1日に数度しか使用できないものもあるそうだ。例えば、この“鬼之魂”なんかがそれにあたるね。



【スキル:鬼之魂】

 その身に宿る鬼の魂を解放し、一時的に鬼神の如き力を発揮するスキル。限界を超えた力を行使するため、肉体にかかる負担は大きい。

 *使用制限:12時間に1回





 さて、と。ここまで見ていた中で、ふと思い出した。確か私は、“キャラクターメイキング”のときにスキルを二つほど、ランダムで取得していたはずだったね。ええと……どうやら、“発光”と“鉄頭”というスキルみたいだ。詳細を確認するため、それぞれのスキルを選択する。




【スキル:発光】

 ・全身、ないしは身体の一部を発光させることが可能なスキル。スキルレベルが上がるほど、その光は強くなる。

 武技:閃光(フラッシュ)


【スキル:鉄頭】

 ・【スキル:石頭】の上位スキル。頭を鉄の如き硬さにする。スキルレベルが上がるほど、硬度が上昇する。

 武技:鉄頭突(テツズツキ)




 なるほど、“発光”は夜の狩りなんかで役に立ちそうだが……それ以上に、“鉄頭”は最高だね!鍛え上げた筋肉の鎧が無い頭は防御面に不安があったが、これならば安心できそうだ。


 さて、他のスキルもどんどん見ていこう。







次話前半もスキル説明が入り、後半はギルドへ行きます。(変更)申し訳ありません。更新は近日中を予定しています。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ