アナタハァ、カミワォ、シンジマスカ?
僕らがラチられる少し前、時間は遡って放課後から話していこう。
今日もラリ○ーを唱える教師と戦い疲弊した僕は放課後は特に学校に残る必要はないのでうちに帰ろうとしていた。その時、
「「「氷華。」」」
「ん?」
僕は声のする方に視線を向けると、知った顔が3人いた。
「どうしたの皆?」
「イヤな、今日は部活動ないから皆で一緒に帰ろうと思ってな」
「私も、やけ野原が急用でいないから部活なくて。」
「右に同じ。」
この3人が話に出てきた幼馴染みーズだ。
最初に話し掛けてきたのが東條夏輝。彼は身長は180㎝くらいの爽やか系のイケメンだ。その笑顔で落ちた女性は数知れず、だが本人は気付いていない鈍感フラグ製造機だ、滅びろ。
次のが立川春香、まぁ彼女の事を簡単に言うと元気娘だ。どんなことがあってもポジティブ、テストの点数が悪くててもポジティブ!弁当のおかずが落ちても食べてしまうほどのポジティブ!………これは駄目だな。まぁとにかくそれくらい元気がある。
最後が、水野秋葉。彼女はハイスペックお嬢様だ、いいとこのお嬢様で全てにおいて能力が非常に高い女性、ただ時々ハイスペックなドジを踏む。取扱注意。
「そうなの?珍しいね。」
「おう、だから今日は皆で帰らないか?」
「うん、じゃあ皆で帰ろっか。」
「ああ♪」
こうして僕らは久しぶりに一緒に帰った。でも本当に久しぶりだ、こうやって皆で帰るのは入学したとき以来だ。
「ねぇ、氷華。」
「何、春香?」
「氷華は部活やらないの?」
「部活ならやってるよ。」
「えっ?!俺ら聞いてないぞそんなの。」
「どこに入ったの?」
「帰宅部。」
「「「……。」」」
胸を張っていったら冷たい目で見られた、氷華に8のダメージ、残りHP5。
「もう!つまらないこと言わない!」
氷華に2のダメージ、残りHP3。
「でね、氷華。前から言ってるけど私と一緒に部活やらない?氷華だったらすぐレギュラーとれるよ。」
「えー。」
「絶対楽しいから!そ、それに……わ、わたしも嬉しいし///。」
「意義アリ!それなら俺と一緒に部活やろう氷華!」
ここで夏輝が意義を申し立てた、逆転裁判か。
「はぁ、今度は夏輝。」
「おう、俺とお前の友情タッグなら全国に行ける!」
「ちょっと夏輝、氷華は私と一緒に部活するの!」
「イヤ!俺と全国にいくんだ!」
「おれと!」「わたしと!」
全く僕を無視して勝手に話を進めんな、でも久しぶりにこのやり取りが見れてちょっと楽しいかな。氷華のHPが
5回復した、残りHP8。
「待ちなさい2人共。」
「秋葉?」「アキちゃん?」
「まず、優柔不断な氷華がどちらかの部活に入るなんてないわ。」
グハッ!
「次に氷華はヘタレだから本番に弱くて戦略にならない。」
ガハッ!
「最後に、これが一番の理由。それは……。」
「「それは……!」」
「氷華だからよ。」
「「あー。」」
ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
氷華に100のダメージ、オーバーキル。氷華のHPは0になった。
その後彼の行方を知るものはいなかった。(うるせぇ!勝手に殺すな!)
とまぁこんな風に話しながら歩いていると、目の前に怪しいオッサンが現れた。
「あー。君たちチョットイイデスカァ?」
「はい?何ですか?」
なんか片言にしゃべる人だな、外人?
「アリガトウ!では、質問デス!」
「アナタハァ、カミウォ、シンジマスカ?」
「「「「…は?」」」」
只のヤバイ奴だった。