そういえばどうやったら面クリ出来るの?
馬に乗った武将を、どうやったら倒せるか悩んでいると、更に武将がやってきた。
凡之助「今度の武将は、オレと同じ旗持ちか。」
元祖戦国無双オンラインは、あくまでMMOSLG………つまり多人数プレイのシミュレーションゲームである。
基本的に雑魚いNPCを倒しまくる事で爽快感を得るのが目的だが、当然対人要素がある。
それが陣取り合戦。
プレイヤーは雑魚いNPCを引き連れ、お互いの拠点を制圧しあう。ルールはいたってシンプルで、相手より先に拠点を制圧出来れば勝利というものだ。
シンプルなルールだからこそ奥深さがある。と言っていたのはリアル友人か。
どれだけ雑兵を倒そうと、どれだけ武将を倒したとしても、拠点を落とされたら負けなのである。
陽動、伏兵、凸撃、………雑兵を上手く使いこなす事が勝利の鍵を握る。らしい。
余談ではあるが、陣営は西と東に分かれている。接続先の住所で所属が決まっている。 海外ユーザーでさえ、日本からの座標で勢力が決まるというのだから驚きだ。
凡之助「まぁオレ、初プレイな訳だけど。………いっその事、武将は相手にせずに、拠点落としちゃおうかな?」
割とありな戦術な気もする。雑兵(NPC)は単独で拠点を目指さないから、相手の裏をかくことが出来るかもしれない。
凡之助「でも………ねぇ?」
無表情で見つめてくる雑兵達(NPC)。彼らからしてみれば、相手の武将を倒さないと死活問題なのだから、オレに頑張って欲しいのだろう。多分。
さっき倒した鎧武者の武器を拾ってみる。
凡之助「これが強力な武器だったらなぁ………。」
薙刀を軽く振ってみるが、
凡之助「凄く………かるぃです………。」
対して強くなかった。後は鎧しかない。
凡之助「これでどうこう出来るかねぇ?」
もう一度、戦況を確認してみる。
馬に乗った武将(敵)ともう一人の武将(味方)。
実力は同じくらいで一進一退の攻防を繰り広げているみたい。
凡之助「なら………まともに戦うよりも別の方法を使うか。」
雑兵に紛れてこっそりと馬に乗った武将に近づく。
気がつかれない位置まで近づいてから、鎧を着替える。
………鎧を着替えるのには時間がかかった。遅いので雑兵(NPC)に着替えを手伝って貰った位だ。
やっと、着替えが終わったので声を上げて宣言する!
凡之助「やあやあやあ!我こそは修羅矛幻流の使い、龍之助である!貴殿の命貰い受ける!いざ、勝負!」
はったり。
こんな仰々しい台詞を言う、武将が弱いはずがない。そう思わせるのである。
実際に効果はてきめんだった。
挟み撃ちにされたと思いこんだ武将(敵)はスキルをあさっての方向に使ってしまう。
実力はもともと拮抗していたのだから、オレが馬を突いて落とし、武将(味方)が武将(敵)の首を撥ねた。
雑兵「ばんざーい。ばんざーい。」
雑兵(NPC)喜んでいるようだが、万歳のモーションがないので直立不動だ。
怖ひ。
………、あれだからどうやってセーブするんだ。