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鐘の音(ね)
空に響き渡る鐘の音は
遠い空の 雲の上
真白いチャペルから聞こえる音
誰もが目指しても
届かない場所
そこから聞こえる鐘の音は
人々の心に染み渡る
それは
風に乗って 雲に乗って
雨に乗って 雪に乗って
毎日 毎日 聞こえてくる
けれど
その音を思い出そうとしたならば
なぜか記憶から抜け落ちる
身体に 心に
染み付いているその音は
簡単には 思い出せ無い物
きっと
その音が蘇るのは
命の 最期を 迎えた時
そうして 思い出した時
鐘の音に導かれ
身体を失った魂たちは
その 場所へ
誰も行けないその場所へ
辿り着けるのです




