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モノクロな私
もう春だと言うのに 凍てついた心は溶けることを知らず
日だまりの中で 一人 孤独とたたかう
凍てつく寒さが残る頃 団らんの輪の中で ぬくぬくと日々を過ごしてきた
いつも在り続けると 信じて疑わなかった温もりは
一瞬にして 目の前から無くなってしまった
どこに向かえばいいのか
何を探せばいいのか
いばらに足を縫い止められたように 一歩を踏み出す勇気も 持てないでいる
孤独で 寂しくて 残酷で
手を差し伸べる人達は 私のすぐ側を 通り過ぎていく
まるで 透明になったように
まるで 見えていないみたいに
色のある世界の中で
一人だけモノクロな私
顔をそむけて
こうして 何も見ずに
又 同じ季節を 繰り返すのだろうか




