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羽根
天から舞い降りたその羽根は
くるくると回りながら 僕の元へ降りてきた
それは
透き通る程に薄くて
純粋な程に真っ白で
けがれなど
一つも 付いてはいなかった
その羽根を手にした時
僕の目から 涙が溢れて来た
止めどなく
止めどなく
何が起こったのか 分から無かった
悲しく無いのに
寂しく無いのに
心の奥の
自分でも気付か無い場所に
溜まった物が
たがが外れた ように
留まる事も 忘れたように
ただ ただ 溢れ出した
そうして
どれ位経っただろう
漸く 涙は止まった
僕の手には
あの けがれ無い羽根は
握られてはいなかった
僕のけがれた何かを
あの羽根は
浄化してくれたのだろうか
それは
分からないけれど
今 僕の心は
晴れ渡っている




