10/43
地面の穴
足元に穴が空いている
その穴を覗いて見る
その中には何があるのだろう
その穴はどこまで続いているのだろう
小石を拾って投げてみる
カラン カランと音を響かせながら
下へ 下へと落ちて行く
それは 自分の心の中の闇へと堕ちて行く様だ
留まる事を知らない
下へ 下へと 奥へ 奥へと
その石は 落ちて行く
自分もその中に落ちたなら
この石の様に
どこにも引っ掛からずに
留まらずに
闇の中へと堕ちて行けるのだろうか
自分が この中に落ちたなら
悲しんでくれる人がいるのだろうか
それを確かめたい 気もする
でも ここへ入ってしまったら
確かめる事は
出来無いのだ




