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最強の妹属性 ~前世で助けた女の子がお礼を言いに異世界に会いに来てくれました~  作者: ヒデミケ


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31 暗黒騎士

 一日の授業が終わり、何となくだが、シリウスの部屋へ向かってしまった。


 今日は、座学のみで武術専攻の授業も大まかな総論だけだった。


 一番の収穫は、やはり闇魔法の授業だった。


 俺がシリウスの部屋へ入った時にはもう3人とも集合していた。


「ねぇ、ユーベル君、聞いてよ!」


「マリーナが出来そうで、出来なかった事をやってのけちゃったんです」


 マリーナと、リーゼが興奮気味に話している。


 何か授業で収穫でもあったんだろうか?


「マリーナは、想像力が豊かなのかもしれないな。火魔法と水魔法を体内で同時に発動させる事を思い付いたんだって」


 シリウスは既に聞いたらしい。


 例えば右手で火魔法、左手で水魔法を同時に発動させる事は、器用な魔術師なら可能だろう。


 だけど、体内で同時に? 


 合成魔法でも思い付いたのだろうか?


「お風呂にね、お湯を張りたかったの。無論一発で」


「お湯かぁ。普通に考えるとまず水魔法で水を出してから、火魔法で温めるよね?」


「うん、二つの工程が必要なのよ。超器用な魔術師なら、水を出しながら火で炙る事が出来そうだけど」


「それも大変だな」


「今日水魔法の授業があったんだけど、水魔法は、火魔法と相性が悪いらしいの」


 火と水、打ち消し合うからな。


「でも相性悪いなりに組み合わせれば、生活に便利な魔法になったわけ」


 どうも今日、マリーナは水魔法の授業と、風魔法の授業で極地的な雷雨を降らせる事に成功したそうだ。


 水と風なら打ち消し合いがないから、出来たそうだ。


 ただし、これを出来た生徒は、マリーナだけだったらしい。


 更に体内で同時に魔法を練り込むコツを覚えたマリーナは、独自にサイクロンを発生させる事まで出来たらしい。


「大げさだけど、天候を操れるってわけ。更にわたしは考えた。火と風も相性的には悪くないなって」


「それで、マリーナがさっき寮の裏庭で実践してくれたんです。熱風を」


「すごかったよな」


「名付けてファイアトルネード! どう?」


「国に知られたら、軍隊まっしぐらじゃないか?」


「そんな夢のない事言わないでよ」


「マリーナの器用な匙加減で、超小規模でも熱波が起きたから、やばいかもな」


「そして、わたしは考えたのです。火と水、相性最悪っぽいけど強引に体内合成したら……」


「したら?」


「お風呂の湯船を42度のちょうど良い温度のお湯で満たす事が出来ました。どう? 凄いでしょ!」


「わたし、早速お風呂頂いてきました。凄く気持ち良かったです」


 なるほど、リーゼの頬が火照っている、ここシリウスの部屋だよな? 


 やりたい放題だな。


「風呂いいね! よく考えついたもんだ。さすがマリーナ。更に温泉にしてもらえたら、よりグッド」


 さすがただでは死なない負けヒロイン。


 ものすごく魔力コストが、かかってそうだけど、それは言わないでおこう。


「ユーベル君、ありがとう、そこまで喜んでくれてわたし嬉しいな」


「ユーベル君、どうだろう? 外で一勝負してから、一緒に風呂と洒落込んでは?」


 シリウスは、ソウルイーターを試したいらしい。


 まあ、気持ちは分かる。


 ソウルイーター! 


 中二病まっしぐらだな。


「ああ、いいよ。相手しよう」


「それじゃあ、その間にわたしはお風呂入っちゃうね」


「わたしも、その間にお夕飯ご用意しますね」


 やばい、この共同生活、楽しい!


 早速外に出た。


 夕陽が眩しい。


 シリウスの銀髪、小麦色の肌が映える。


 なかなか色男になったじゃないか。


「出でよ! ソウルイーター!」


 もう生粋の闇仲間だな。


 最近は、俺は炎の弓矢を愛用している。


 前世の弓道の血が騒ぐのもあるが、矢が魔力の集合体である為か、いくら距離をとっても、誤差修正の必要がないのだ。


 どんな風に晒されようが軌道が全くずれない。


 エイミング能力は、元々自信あるから、シリウスとの稽古は、最近はめっぽうこれだ。


 炎の弓矢だが、勿論焼け焦げる事はない。


「じゃあ、今日はちょい強めに行くよ」


「望むところさ」


 俺は、矢を紡ぎ弓を引き絞った。


 もう今のシリウスなら、躱すことも出来るはずだ。


 剣で受け止められない事は承知しているはず。


 俺は炎の矢を放った。


 シリウスは、微動だにせず、禍々しい剣の腹を矢の先端に合わせた。


 受け止める気だ。


 大丈夫かな?


 シリウス爆散とかしないでくれよ!


 矢は弾かれずそのまま剣に吸い込まれた。


 うお! 


 シリウスの剣がひどくでかく見える。


 俺の矢の魔力をそのまま取り込んだらしい。


「くっ! まずい! 僕の右手の封印が解かれてしまう。腕が疼くんだ。もう駄目だ。頼む! 逃げてくれ」


 中二病やめい!


 そして、シリウスは何と、禍々しい剣を俺に向かって凪いだ。


 逃げてくれって言ってなかったか?


 あっ!


 駄目だ。


 これ逃げたら周囲1キロメートルくらいは、焼け野原になるな。


 俺も仕方ないので、剣を出し、シリウスのソウルスラッシュを受け止めた。


 何とか超高密度の魔力集合体を吸い取る事が出来た。


 シリウスのやつ、ソウルスラッシュで威力まで跳ね上げて返してきた。


 正直驚いた。


 はっきり言って強い。


 とてもじゃないが田舎の村の自警団に、収まるような器ではない。


 ミーア、会った事ないけどごめん。


 俺は君のフィアンセをとんでもない化け物にしてしまったようだ。


「凄い! ソウルスラッシュは相手からの魔力を吸収して更に倍加させて返しているみたいだ」


「チート技だな」


「うん、これでミーアを守れる騎士になれそうだ」


 完全に闇に染まった暗黒騎士だけどな。


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