ひなまつり
ガタンゴトン!ガタンゴトン!
列車が揺れるのがわかる
きぃーーーーー!!
急ブレーキの音で目が覚める
私「うーーーん......。」
近くにいたと思われる男性が駆け寄ってくる
「大丈夫ですか!?ご自分の名前は言えますか!?」
私「わたしは・・・えぇーと、わたしちゃん?」
唐突に名前を聞かれて困惑してそういった。
「記憶に障害がありっと......。この列車には何をしに?どこへ行こうと?」
私は訳も分からないまますべてを吐露した
私「この列車には故郷の恋人に会いに・・・それで・・・。」
駅員はふむふむとメモを書き加えて向き直った
「記憶に障害があるが、自分のことを説明できることは確か。」
「あっもういいですよ。」
私「へっもういいとは?」
その瞬間時空がぐにゃりと曲がった。
私「へあっ??」
私には何が何やらよくわからなかった
駅員もいなくなっていた
私「どうなってるの?」
私「そうだ!列車は?」
目の前にはぐちょぐちょに潰れた”列車だった物”があった
私「イヤ・・・」
潰れた列車から血塗れの手が出ている
「いやーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」
その場から逃げようと思ったがそれはかなわなかった
瓦礫が来た道を塞いでいたからだ
「はあっ・・・だ、だれ?」
瓦礫の下から声がする
私「わたしは・・・うーん......?」
「それより早く助けてよ。瓦礫どかして。」
しかたなく瓦礫をどかすわたし。
私「どこら辺にいるの?」
「ここだよここ」
私は声のする方へと掘り進めていった
がらっ!
やっとこさ、掘り当てたそれは
”かつて人間だった物”
骨がむき出しになり顎が外れ喋っているのが不思議なくらいだった
私「おっps......。」
私は思わず吐いてしまった
次の瞬間だった
瓦礫がくずれて下敷きになってしまった
・・・。
・・・。・・・。
・・・。・・・。・・・。
きぃーーーーー!!
「大丈夫ですか!?ご自分の名前が言えますか??」
こうして145号トンネルは今も崩壊を繰り返してるそうです。
完