表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
125/198

第2章 66 プレゼント

 翌朝―



ピピピピ……ッ!


7時にセットしたスマホのアラームがけたたましく鳴り響いた。


「う〜ん……もう朝か……」


手探りでサイドテーブルの上に置いたスマホを探して、アラームを止めると起き上がる。


「ふわぁぁああ〜……」


ベッドの上で大きく伸びをすると、すぐに朝の準備を始めた――。



「よし、食うか!」


 俺の正面のテーブルの上には手作りのピザトースト、ベーコンエッグ、コーヒーが乗っている。


リモコンを手に取ると、早速テレビをつけた。


適当にリモコンをいじり、朝の情報番組を見ながらピザトーストを口にする。


「う〜ん…。それにしても…俺が今見ている内容は15年も前の情報なんだよな…。最新情報なんて言ってるが、結局古い内容だし…俺が観ても何の意味も無いだろうな」


1人、ぼやきながら朝食を食べ終えると食器を片付けにキッチンへ向った――。




「さて…リサーチの続きをするか」


PCの前に座ると、電源を入れて検索の続きを始めた。

昨夜は午前1時過ぎ迄、どんなプレゼントなら喜んでくれるか散々調べたのに…結局良いプレゼントが思い当たらなかったのだ。


「う〜ん…いっそ食べ物にするか…」


一度その言葉を口にしてみれば、やはり食べ物が一番無難そうに思えてきた。


「よし!食べ物にするか!早速出かけよう」


今の時刻は9時半、駅まで歩いても15分程。

丁度店も開いてくる頃だろう。財布とスマホをジャケットに突っ込むと、駅に向かった――。




****


 駅前の商店街を歩きながら、歩きながら考えていた。


「う〜ん……どんな食べ物なら彩花は喜んでくれるのか……?」


15年前の俺は子供だった。

あの頃、彩花は俺にどんな食べ物が好きなのか、よく尋ねてくれていた。


一方の俺は…彩花の好きな食べを尋ねた事はあっただろうか?


彩花を失って…時がたつに連れ、俺は悔やんでばかりだった。

まだ子供で無力な俺は、あの頃は何一つ彩花の為にしてやれなかった。


大人だったなら、彼女の喜ぶことをしてあげられたのにと……あの頃にもし戻れたなら俺は彩花の為に自分の人生を捧げても良いと思っていた。


「よし、待ってろよ。彩花…。とっておきの食べ物を用意してやるからな……」



そして手始めに一番近場にあったスイーツショップに足を向けた――。





****



「ありがとうございました〜」



女性店員の声を背中に受けながら、店を出た。

手にはケーキの入った紙袋が入っている。


結局、俺が選んだのはパイの焼き菓子…エッグタルトを3個購入した。

何故3個にしたかと言うと、この焼き菓子は冷蔵保存で3日保存可能だと言われたからだ。



「彩花……喜んでくれるかな……」


こうして俺は彩花へのプレゼントを手に、家路へついた――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ